紙が正か電子が正か

「署名は紙で行ったのだから、電子データは削除してもよいのではないか」――ハイブリッド運用の現場で最も頻繁に出る問いである。だが、この問いに答えるには、その前に「そもそも原本(original record)とは何によって決まるのか」を押さえなければならない。結論を先に述べる。GxP領域において原本は「どの媒体に載っているか」では決まらない。「その情報が最初にどの形で捕捉されたか」で決まる。したがって、紙に手書きした記録をスキャンした場合と、電子的に生成された記録を印刷した場合とでは、原本はまったく逆になる。本稿はこの一点に絞って掘り下げる。

本稿の位置づけ:ハイブリッドシステムの定義・発生背景・問題点の総論は「ハイブリッドシステムとは」で扱う。紙に出力した瞬間に何が失われるか(動的記録の静的化、メタデータ、監査証跡)は「なぜプリントアウトは信頼できないのか」で、ハイブリッド運用が生まれた歴史的経緯は「タイプライターエクスキューズとは」で扱う。本稿が担当するのは「どちらが原本か」という正本性の判定である。

ハイブリッドシステムとは何か(要約)

ハイブリッドシステムとは、PIC/S PI 041-1(2021年7月1日)の用語集では、次のように定義されている。

電子的なデータを生成する電子システムに、通常は紙ベースの記録を生成する定義された手作業のシステムが付加された、データの管理・統制のためのシステム。したがって、ハイブリッドシステムにおける完全なデータセットは、電子データと紙のデータの両方から成る。ハイブリッドシステムは、その両方のサブシステムが適切に管理されて初めて正しく機能する。
――PIC/S PI 041-1「Good Practices for Data Management and Integrity in Regulated GMP/GDP Environments」用語集 Hybrid Systems(趣旨訳)

三つの運用形態

運用形態 記録のつくられ方 原本の所在
完全紙運用 すべての文書が紙で作成され、押印され、物理的なキャビネットに保管される 紙の文書が唯一の原本。コピーは参照用にすぎない
完全電子運用 すべてが電子データとして作成・保管される。電子署名で締結し、電子的に保管する 電子データが唯一の原本
ハイブリッド運用 電子で作成し、印刷して紙で署名・押印し、それをスキャンして電子保存する 紙と電子の双方をあわせて一つの完全なデータセットとなる

本稿で主に論じるハイブリッドシステムとは、具体的には次のプロセスを指す。

  1. 電子で作成・編集契約書や記録を電子システム上で作成し、編集する。
  2. 印刷して紙で署名・押印最終版を印刷し、紙の上で署名または押印する。
  3. スキャンして電子保存署名済みの紙文書をスキャンし、PDF等として電子保存する。
  4. 紙で保管署名済みの紙を原本として物理的に保管する。

この運用では、署名という法律行為の証拠は紙に載る。しかし電子側には作成プロセスの記録として固有の価値があるため、「正」の所在が現場での混乱を生んでいる。なお、完全な電子取引(電子契約サービスで締結した契約、電子メールで受領した請求書など)は電子データが原本であり、取り扱いが異なる。この点は後述する税務の節で扱う。

PIC/S はハイブリッドを「推奨しない」と明記している

  • PI 041-1 の 9.10「Management of Hybrid Systems」は、ハイブリッドシステムはその複雑さとデータ操作に対する脆弱性の高さゆえに固有の追加統制を要するとし、「そのため、ハイブリッドシステムの使用は推奨されず、可能な限り置き換えられるべきである」と述べている。
  • ハイブリッドを続けるのであれば、手作業側と電子側の両方を適格性評価・バリデーションの対象とし、両者のインターフェース(手入力、自動生成データの紙への転記、印字データの自動読み取り)に手順と記録を用意しなければならない。

原本は「媒体」では決まらない――「最初に記録された形態」で決まる

ここが本稿の核心である。多くの現場は「紙が原本か、電子が原本か」を媒体の問題として議論している。しかし、GxPのデータインテグリティ規制文書は、原本性を媒体ではなく「情報が最初に捕捉された形態」で定義している。

MHRA の定義

英国MHRAの「‘GXP’ Data Integrity Guidance and Definitions」(Revision 1、2018年3月)は、6.11.1「Original record」で次のように定義する。

データまたは情報の、最初の、または源となる捕捉(The first or source capture of data or information)。例えば、手作業による観察を記録した元の紙記録、あるいはコンピュータ化システムから生成された電子的な生データファイル。加えて、当該GXP活動の実施を完全に再構築するために必要となる、以後のすべてのデータを含む。原本記録は静的(static)にも動的(dynamic)にもなり得る。
――MHRA ‘GXP’ Data Integrity Guidance and Definitions, Revision 1 (March 2018), 6.11.1(趣旨訳)

さらに 6.2「Raw data」では、より踏み込んだ言い切りがある。

生データとは原本記録(データ)であり、紙に記録されたか電子的に記録されたかを問わず、情報の最初の捕捉(first-capture)として記述できるものをいう。もともと動的な状態で捕捉された情報は、その状態のまま利用可能であり続けるべきである。
生データは活動の完全な再構築を可能とするものでなければならない。動的な状態で捕捉され、かつ電子的に生成されたものについては、紙のコピーを「生データ」とみなすことはできない。
一方、電子データを保存しない、あるいは印字出力しか提供しない基本的な電子機器(例:上皿天びんやpHメータ)の場合には、その印字出力が生データを構成する。
――同ガイダンス 6.2 Raw data(趣旨訳)

PIC/S PI 041-1 の用語集も、同ガイダンスを脚注で引用したうえで、Raw Data をまったく同じ文言で定義している。すなわちこれは一機関の独自見解ではなく、GxP査察当局に共通する理解である。

静的記録(static)と動的記録(dynamic)

「最初に捕捉された形態」を判定するうえで鍵になるのが、static と dynamic の区別である。FDAは「Data Integrity and Compliance With Drug CGMP: Questions and Answers」(2018年12月、最終版)の 1.d で次のように定義している。

本ガイダンスにおいて static とは、紙記録や電子イメージのようにデータが固定された記録を指し、dynamic とは、利用者と記録内容との相互作用を許す記録形式を意味する。例えば動的なクロマトグラフィ記録では、利用者がベースラインを変更してデータを再処理し、その結果ピークが大きくも小さくも見えるようにすることができる。
――FDA「Data Integrity and Compliance With Drug CGMP: Questions and Answers」(December 2018)1.d(趣旨訳)

動的記録を紙に印刷すると、その紙は静的記録になる。印刷という行為は、記録の形態を不可逆に変換している。ここで失われるものの内訳(メタデータ・監査証跡・再処理可能性)については「なぜプリントアウトは信頼できないのか」と「メタデータとは何か」を参照されたい。本稿で重要なのは、その変換の結果、印刷物は原本ではなくなるという一点である。

【判定表】記録の生成のされ方 × 原本はどちらか × 根拠

以上を、実務で判定できる形に落としたものが次の表である。紙が原本になるか電子が原本になるかは、状況によって逆転する。

記録の生成のされ方 原本(original record) 根拠
紙の帳票に手書きした
(手作業による観察の記録)
。スキャンしたPDFは「写し」(true copy)であって原本ではない MHRA 6.11.1「最初の、または源となる捕捉」/PIC/S PI 041-1 用語集 Raw Data
紙に手書きし、後からシステムへ転記入力した 。転記入力後も元の紙を保管する。転記は第三者または検証済みシステムによる照合が必要 PIC/S PI 041-1 9.10「Original data should be retained following transcription and processing」/MHRA 6.11.2
電子的に生成された動的記録(クロマトデータ、スペクトルファイル、データベース等)を印刷した 電子。印刷物は原本でもなく、true copy にもならない FDA DI Q&A 問10/MHRA 6.2「動的に捕捉され電子的に生成されたものは紙のコピーを生データとみなせない」
電子的に測定するが、機器が電子データを保持せず印字出力しか出さない(上皿天びん、pHメータ等) 印字された紙が原本。この場合に限り、紙またはその true copy を保管すればよい FDA DI Q&A 問10/MHRA 6.2
電子的に生成し、電子署名した 電子。署名者氏名・日時・署名の意味を含むメタデータごと電子で保つ。印刷物はこれを保存できない 21 CFR §11.50/ER/ES指針 4.(3)(電子署名の3つの明示事項
電子で作成し、印刷して紙で署名・押印し、スキャンした(本稿のハイブリッド) 紙と電子の双方をあわせて一つの完全なデータセット。どちらか一方だけでは記録が不完全になる PIC/S PI 041-1 用語集 Hybrid Systems/MHRA「Hybrid」(データセット全体を文書で定義し、その全記録を照査・保管せよ)
原本を、検証済みの手順で複製した(true copy) 元の原本。ただし複製の完全性を検証・記録する文書化されたシステムがあれば、true copy を原本に代えて保管し得る MHRA 6.11.2/21 CFR §211.180(d)

「紙に印刷して原本とし、電子データを削除する」がなぜ致命的か

  • 電子的に生成された動的記録の印刷物は、原本ではないし、true copy の要件も満たさない。MHRA 6.11.2 は、true copy とは「文脈・内容・構造を記述するデータを含め、原本と同じ情報を有することが検証された複製」であり、「必要なら異なる電子ファイル形式で保存してもよいが、データの完全な意味が保たれ、その履歴が再構築できるよう、メタデータと監査証跡を保持しなければならない」とする。紙の印刷物はこれを満たせない。
  • したがって、印刷して電子を消す運用は「写しを残して原本を捨てる」のではなく、「原本でも写しでもないものを残して原本を捨てる」行為になり得る。
  • MHRA 6.11.2 は、true copy を原本に代えて保管すること自体は認めつつ(例:紙記録のスキャン)、「組織は原本の破棄に伴うあらゆるリスクを考慮すべきである」と釘を刺している。判断は文書化された検証の裏付けを要する。
  • PIC/S 7.7.2 と MHRA 6.11.2 は、電子的に生成されたデータを紙やPDFで保持する余地を完全には否定していない。ただしその場合、生データ・メタデータ・関連する監査証跡・結果ファイル・各記録固有のソフトウェア/システム設定・データ処理の全実行履歴の検証済み複製をすべて含め、かつ印刷物が正確な再現であることを検証する文書化された手段を要求する。両文書とも「この方法は運用管理上きわめて負担が大きい」と結んでいる。

FDA・PIC/S は「印刷で足りるか」にどう答えているか

FDA データインテグリティ Q&A 問10

この問いに対する最も直接的な回答は、FDAのデータインテグリティQ&Aガイダンス(2018年12月、最終版)の問10である。設問自体が「FT-IRのようなスタンドアロンのコンピュータ化試験機器について、電子の原本記録の代わりに紙の印刷物や静的記録を保管することは許容されるか」というものである。

紙の印刷物または静的記録は、それが原本記録であるか、原本記録の true copy である場合には、保管要件を満たし得る(§§211.68(b)、211.188、211.194、212.60参照)。例えばデータ取得の際に、pHメータや天びんは紙の印刷物または静的記録を原本記録として生成することがある。この場合、その紙の印刷物または静的記録、あるいはその true copy を保管しなければならない(§211.180)。

しかしながら、一定の種類の試験機器から得られる電子記録は――スタンドアロンかネットワーク接続かを問わず――動的であり、印刷物や静的記録では、完全な原本記録の一部である動的な記録形式を保存できない。例えばFT-IR(フーリエ変換赤外分光法)が生成するスペクトルファイルは動的であり、再処理が可能である。これに対し静的記録や印刷物は固定されており、原本記録または true copy を保管せよというCGMPの要求を満たさない(§211.180(d))。さらに、印刷物に全スペクトルが表示されていなければ、夾雑物が除外されてしまうおそれがある。
――FDA「Data Integrity and Compliance With Drug CGMP: Questions and Answers」(December 2018)問10(趣旨訳)

設問の立て方に注目したい。FDAは「紙か電子か」を二者択一で論じていない。「その紙が原本または true copy に当たるか」という一点で判定している。そして、機器が動的な電子記録を生成するのであれば、印刷物はその条件を満たさない、と答えている。

21 CFR の条文――何を保管せよと書いてあるか

条項 要求事項(要旨)
21 CFR §211.180(d) 本パートで要求される記録は、原本記録として、または写真複写・マイクロフィルム・マイクロフィッシュその他の原本記録の正確な複製である true copy として保管し得る。縮小技術を用いる場合は、適切な読取機と複写機を直ちに利用できるようにしておかなければならない。
21 CFR §11.10(b) 当局による査察・照査・複写に適した形で、人が読める形式と電子的形式の双方において、正確かつ完全な記録の複製を生成できること。
21 CFR §11.10(c) 記録の保存期間を通じて、正確かつ速やかな検索を可能とするよう記録を保護すること。
21 CFR §11.10(e) 電子記録を作成・変更・削除する操作者の入力と行為の日時を独立に記録する、安全かつコンピュータ生成の、タイムスタンプ付き監査証跡を用いること。記録の変更は先行する記録情報を不明瞭にしてはならない。監査証跡は対象の電子記録に要求される期間以上保管し、当局の照査・複写に供すること。

§11.10(b) は「人が読める形式電子的形式の双方」と書いている。「人が読める形式で出せるなら電子は不要」とは書いていない。そして §11.10(c) は保存期間を通じた検索性を、§11.10(e) は監査証跡を電子記録本体と同じ期間保つことを要求している。電子データを削除すれば、これらはいずれも成立しなくなる。Part 11 の各号を実務でどう満たすかについては「Excelを使用する場合の管理留意点」に §11.10 各号との対応表を掲載している。

日本のGxPにおける正本性――ER/ES指針の「真正性」

日本のGxP領域で電磁的記録の要件を定めているのは、「医薬品等の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について」(平成17年4月1日 薬食発第0401022号)の別紙、いわゆるER/ES指針である。適用範囲は、薬事法(現・医薬品医療機器等法)およびその関連法令に基づく申請等に提出する資料と、原資料その他保存が義務づけられている資料である。

三要件――真正性・見読性・保存性

項番 要件 指針本文(要旨)
3.1.1 真正性 電磁的記録が完全、正確であり、かつ信頼できるとともに、作成、変更、削除の責任の所在が明確であること。
(1) セキュリティを保持するための規則・手順が文書化され、適切に実施されていること
(2) 保存情報の作成者が明確に識別でき、変更する場合は変更前の情報も保存され、変更者が識別できること。監査証跡が自動的に記録され、定められた手順で確認できることが望ましい
(3) バックアップ手順が文書化され、適切に実施されていること
3.1.2 見読性 電磁的記録の内容を人が読める形式で出力(ディスプレイ装置への表示、紙への印刷、電磁的記録媒体へのコピー等)ができること
3.1.3 保存性 保存期間内において、真正性及び見読性が確保された状態で電磁的記録が保存できること
(1) 電磁的記録媒体の管理等、保存性を確保するための手順が文書化され、適切に実施されていること
(2) 他の媒体や方式へ移行する場合には、移行後の電磁的記録についても真正性、見読性及び保存性が確保されていること

見読性は「紙に出せること」であって、「紙が原本になること」ではない

  • ER/ES指針 3.1.2 が求めているのは、電磁的記録を人が読める形式で出力できる能力である。紙への印刷はその出力手段の一例として列挙されているにすぎない。
  • そして 3.1.3 保存性は、「保存期間内において……電磁的記録が保存できること」と明記している。すなわち保存されるべき対象は電磁的記録それ自体である。紙に印刷したうえで電磁的記録を削除すれば、3.1.3 は成立しない。
  • 「印刷できるから電子は消してよい」という読み方は、見読性の要件を保存性の免除と取り違えている。両者は独立した要件である。

なお、ER/ES指針 3.1.3(2) は媒体・方式の移行時にも真正性・見読性・保存性が確保されることを要求している。長期保存における技術的な困難とその対処については「電子記録の長期保存が困難な理由」を、査察の実際については「ER/ES指針査察のいま」を参照されたい。データインテグリティの土台となる考え方は「データインテグリティ保証の3要素」にまとめている。

訴訟になったとき、紙と電子はどう扱われるか

GxPの原本性とは別に、民事訴訟における証拠としての扱いも押さえておく必要がある。ここは俗説が最も多く流通している領域なので、条文に即して整理する。

紙の私文書――いわゆる「二段の推定」

民事訴訟法第228条第1項は「文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない」と定める。そのうえで同条第4項が「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」と規定している。

実務でいう「二段の推定」とは、この第228条第4項に、「本人の印章による印影があれば本人の意思に基づく押印と事実上推定される」という判例法理(第一段)を重ねたものである。すなわち、二段の推定は民訴法第228条第4項+押印に関する判例法理によって成り立っている。

電磁的記録には第228条第4項が準用されない

最も誤解の多い点

  • 令和4年法律第48号(民事訴訟法等の一部を改正する法律)により、電磁的記録に記録された情報の内容に係る証拠調べの規定として第231条の2・第231条の3が新設された。
  • その民訴法第231条の3第1項は、「第二百二十条から第二百二十八条まで(同条第四項を除く。)及び第二百三十条の規定は、前条第一項の証拠調べについて準用する」と定めている。
  • つまり、署名・押印による真正成立の推定(第228条第4項)は、電磁的記録には準用対象から明示的に除外されている。紙の文書についての「二段の推定」を、そのまま電子データに持ち込むことはできない。

電子署名法第3条は、別ルートの推定を用意している

では電子データには推定が働かないのかというと、そうではない。電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第3条が、独自の推定規定を置いている。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。
――電子署名及び認証業務に関する法律 第3条

ここで注意すべきは、電子署名法第3条は民訴法第228条第4項を経由しない、独立した推定規定だという点である。また括弧書きにあるとおり、「符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができる」ものに限られる。鍵の管理が杜撰であれば、この推定は働かない。

留保:本節は条文の構造を整理したものであり、個別事案の証拠評価を保証するものではない。訴訟における具体的な立証方針については弁護士に相談されたい。なお元記事にあった「電子帳簿保存法の改正により、一定の要件を満たせば電子データも正本として認められるようになった」という記述は、税法上の保存義務と民事訴訟法上の証拠力を混同するおそれがあるため、本稿では両者を節ごと分けて記述している。

電子側にしか存在しない情報

署名を紙で行ったとしても、その前段階で作成・編集された電子記録には、紙には載らない情報が含まれている。

電子側にある情報 何を証明できるか 紙の署名済み文書で代替できるか
作成履歴・編集履歴 誰がいつ作成し、どのような修正を加えたか できない
タイムスタンプ 文書が特定の時点で存在していたこと できない(紙の日付記入は事後の記載と区別しがたい)
承認フローの記録 社内の承認プロセスと決裁権者の承認履歴 紙の押印欄は結果のみを示し、経過を示さない
バージョン管理 最終版に至る文書の変遷 できない
監査証跡 変更・削除の事実と、その主体・日時・理由 できない

紙と電子は二者択一ではなく補完関係にある。どちらか一方だけでは、記録は不完全なのである。これはPIC/Sがハイブリッドシステムの定義で「完全なデータセットは電子データと紙のデータの両方から成る」と述べていることと、そのまま一致する。

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【別枠】税務における電子取引データの保存――GxPとは根拠法が異なる

この節は税務の話である。ここまで述べてきたGxPの原本性(MHRA・PIC/S・FDA・ER/ES指針)とは根拠となる法令がまったく異なる。両者を混ぜて論じると誤読を生むため、節を分けて記述する。GxPの記録管理を検討する際に本節の結論を持ち込んではならないし、その逆も同様である。

電子取引データは電子のまま保存する義務がある

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(電子帳簿保存法、平成10年法律第25号)第7条は、次のとおり定めている。

所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。
――電子帳簿保存法 第7条

ここでいう「電子取引」とは、同法第2条第5号により「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引」をいう。電子契約サービスで締結した契約、電子メールで受領した請求書、Webサイトからダウンロードした領収書などが該当する。対象は所得税(源泉徴収分を除く)と法人税に係る保存義務者である。

宥恕措置から猶予措置へ――2024年1月に何が変わったか

元記事執筆時点から状況が変わっているため、経緯を正確に整理する。

  1. 令和3年度税制改正(2022年1月1日施行)従来認められていた「電子取引データを出力した書面等の保存をもって電磁的記録の保存に代えることができる措置」が廃止された。
  2. 令和4年度税制改正――宥恕措置(経過措置)要件に従った保存が困難な事業者の実情に配慮し、2022年1月1日から2023年12月31日までに行う電子取引について、所轄税務署長が「やむを得ない事情」があると認め、かつ税務調査等の際に整然とした形式・明瞭な状態で出力した書面を提示・提出できる場合には、出力書面のみを保存する方法で対応することが認められた(令和3年財務省令第25号 附則第2条第3項により読み替えて適用される規則第4条第3項)。
  3. 令和5年度税制改正――猶予措置(2024年1月1日以後)宥恕措置は適用期限(2023年12月31日)をもって終了し、電子帳簿保存法施行規則第4条第3項に新たな猶予措置が置かれた。税務署長が「相当の理由」があると認め、かつ電磁的記録とその出力書面の双方の提示・提出の求めに応じられる場合には、改ざん防止措置や検索機能といった保存時の要件によらず電磁的記録を保存できる。

宥恕措置と猶予措置の決定的な違い

  • 宥恕措置(〜2023年12月31日)では、出力書面のみを保存する対応が認められていた。
  • 猶予措置(2024年1月1日以後)では、出力書面のみで対応することは認められない。出力書面の提示等に加えて、電子データそのものも保存しておく必要がある。
  • 国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月)問89は、この点を明示的に注意喚起している。同 問99 は、電子取引データを出力した書面をスキャナ保存することも認められないとしている。
  • つまり猶予措置は「要件を緩める措置」であって、「電子データを消してよい措置」ではない。ここはGxPの結論と方向が一致する。

両方受領した場合――書面を正本とする取り決め

実務では、同じ内容を電子データと書面の両方で受領することがある。国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月)問16は次のように回答している。

電子データと書面の内容が同一であり、書面を正本として取り扱うことを自社内等で取り決めている場合には、当該書面の保存のみで足ります。ただし、書面で受領した取引情報を補完するような取引情報が電子データに含まれているなどその内容が同一でない場合には、書面及び電子データの両方を保存する必要があります。
――国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月)問16

したがって満たすべきは次の2点である。

  • 電子データと書面の内容が完全に同一であること
  • 書面を正本として取り扱うことを自社内等で取り決めていること

この取り決めは、社内規程で「電子データと書面を両方受領した場合、書面を原本として取り扱う」と定める、あるいは相手方との契約で「書面を正本として取り扱う」と明記する、といった方法で行う。ただし、書面で受領した取引情報の詳細をメール本文で補足している場合など、電子データに正本を補完する取引情報が含まれている場合には、書面に加えて電子データの保存も必要となる。

出典番号の更新について:元記事はこの取扱いを「電取追1」として引用していたが、国税庁の一問一答は改訂のたびに問番号が振り直される。2026年8月時点で最新の令和8年7月版では【問16】である。本稿では現行版の番号を用いた。

要件を満たさなかった場合にどうなるか

元記事は「電子データを削除することは法令違反となり、青色申告の取り消しなど重大な結果を招く可能性がある」と述べていた。この記述は方向としては誤っていないが、国税庁の説明はより慎重である。同一問一答 問98 の要旨は次のとおりである。

  • 2024年1月1日以後に行う電子取引の取引情報については、出力書面等による保存をもって電磁的記録の保存に代えることはできない。災害その他やむを得ない事情も、税務署長が相当の理由があると認める事由もなく、要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得る。
  • ただし、青色申告の承認の取消しは要件違反があったことをもって直ちに必ず行われるものではなく、事務運営指針に基づき「真に青色申告書を提出するにふさわしくないと認められるかどうか」を検討したうえで判断される。
  • 取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が他から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由がない限り、直ちに承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったと判断されたりするものではない。
  • なお、消費税に係る保存義務者が行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存については、その保存の有無が税額計算に影響を及ぼすことなどを勘案し、引き続き出力書面による保存が可能とされている(同 問98 解説)。
本節の限界:本稿は税務の専門記事ではない。個別の税務判断については税理士または所轄税務署に確認されたい。本節は、GxP領域の原本性の議論に税務の結論を持ち込むことの危険を示す目的で置いている。

電子記録を削除してはいけない4つの理由

以上を踏まえ、ハイブリッド運用において電子記録を保持すべき理由を、根拠を明示して整理する。法的な原本が紙であるケースでも、電子記録の保持は強く推奨されるという点が要点である。

  1. 理由1:原本そのものを捨てている可能性がある
    最も重い理由である。記録が電子的に生成された動的記録であるなら、原本は電子側にある。印刷物は原本でも true copy でもない。この場合、電子データの削除は「写しを整理した」のではなく「原本を破棄した」ことになる。判定は本稿冒頭の判定表に従うこと。
  2. 理由2:証拠能力が損なわれ得る
    契約後や試験実施後に紛争が生じた場合、「この条項は後から追加されたものではないか」「署名時点では別の内容だったのではないか」「承認権限のない者が勝手に修正したのではないか」といった疑義が争点になることがある。電子記録の編集履歴・監査証跡・タイムスタンプは、こうした疑義に応える有力な材料となる。紙の署名だけではこれらに答えられない。
    ただし、電子記録があれば必ず証明できると断定はできない。前述のとおり民訴法第231条の3第1項は第228条第4項を準用から除いており、電磁的記録の証拠評価は個別の事案判断による。書けるのは「答えられる材料を失う」ということまでである。
  3. 理由3:監査・査察への対応が困難になる
    査察官・監査人が確認するのは、最終的な署名済み文書だけではない。作成プロセス全体の適切性である。電子記録を削除すると、承認プロセスが適切に行われたか、文書管理規程に沿った運用がなされていたか、コンプライアンスが遵守されていたかを立証できなくなる。
    PIC/S PI 041-1 の 9.10 は、ハイブリッドシステムについて「手作業システムと自動システムのインターフェースを管理・統制する手順と記録が利用可能でなければならない」とし、特に手入力・自動生成データの紙への転記・印字データの自動読み取りの各段階を挙げている。査察側は、まさにこの継ぎ目を見に来る。「ER/ES指針査察のいま」も併せて参照されたい。
  4. 理由4:明文の保存要求に抵触し得る
    削除が抵触し得る規定は、領域ごとに次のとおり特定できる。自社にどれが適用されるかを確認したうえで判断すること。

    領域 該当条項 要求の内容
    米国 CGMP 21 CFR §211.180(d) 原本記録または true copy として保管すること
    米国 電子記録 21 CFR §11.10(b)(c)(e) 人が読める形式と電子的形式の双方で正確・完全な複製を生成できること/保存期間を通じた検索性/監査証跡を電子記録と同等以上の期間保管すること
    日本 薬事(申請資料・原資料) ER/ES指針 3.1.1/3.1.3 変更前の情報も保存すること/保存期間内において真正性・見読性が確保された状態で電磁的記録が保存できること
    日本 税務(電子取引) 電子帳簿保存法 第7条/施行規則 第4条 電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存すること。2024年1月1日以後は猶予措置下でも出力書面のみの保存は不可
    国際 GMP/GDP PIC/S PI 041-1 8.11 定められた保存期間の経過後に、正しい原本記録または true copy が廃棄されるよう、文書化された廃棄プロセスを設けること。誤削除のリスクを低減する措置を講じ、廃棄権限を限られた者に限定すること

    保存期間の起算点、保存期間中のデータの完全性の確保、必要時に速やかに取り出せる検索可能性――この3点はいずれの領域でも共通して求められる。

採用しなかった記述:元記事には「多くの法令では、取引完了時点から一定期間(通常7年〜10年)の保存が義務付けられている」との記述があった。保存期間は根拠法令ごとに起算点も年数も異なり(GxP、税務、会社法等で別個に定まる)、単一の年数レンジで一般化すると誤解を招くため、本稿では具体的な年数を示していない。自社に適用される法令ごとに個別に確認されたい。

業務効率という副次的な理由

法令遵守とは別に、実務的な観点からも電子記録の保持には意義がある。ただしこれらは削除してはいけない理由ではなく、保持することの副次的な利点として位置づけるべきものである。

  • 検索性の確保――紙の文書を物理的に探すより、電子データをキーワード検索するほうが効率的である。
  • リモートアクセス――電子データであれば、在宅勤務中でも必要な文書にアクセスできる。
  • バックアップの容易性――電子データは複製が容易であり、事業継続や災害対策の観点からも有効である(「BCPの「第3形態」」参照)。

適切なハイブリッド運用の4つのポイント

ポイント やるべきこと 裏付け
1. 記録の二重性を前提とする 紙と電子を二者択一と考えない。紙は「署名という行為の証拠」、電子は「作成プロセスの記録」として位置づけ、両者をあわせて一つの完全なデータセットとする。そのうえで、どこまでがデータセットに含まれるかを文書で明示する MHRA「Hybrid」(ハイブリッドを用いる場合、何が完全なデータセットを構成するかを明確に文書化し、そこで定義された全記録を照査・保管すべき)/PIC/S PI 041-1 用語集
2. データ保管ルールを明確化する 社内規程で次を定める:電子記録の保存期間(法定保存期間以上)/保存方法(サーバー、クラウド等)/アクセス権限の管理/バックアップの頻度と方法/削除の承認プロセス ER/ES指針 3.1.1(1)(3)、3.1.3(1)/21 CFR §11.10(d)(g)/PIC/S PI 041-1 8.11.3(廃棄権限は限られた者に限定)
3. 定期的に見直す 法令の改正や技術の進化に合わせて記録管理の方針を定期的に見直す。媒体・方式を移行する場合は、移行後も真正性・見読性・保存性が確保されることを確認する。完全電子化への移行可能性も継続的に検討する ER/ES指針 3.1.3(2)/PIC/S PI 041-1 9.10 項目1(ハイブリッドは可能な限り置き換えるべき)
4. 教育を徹底する 全社員が記録管理の重要性を理解するよう定期的に教育を実施する。特に周知すべきは、安易な削除が招くリスク/どの記録の原本が電子側にあるのかという判定/適切なデータ管理の手順である 21 CFR §11.10(i)(教育・訓練・経験)/ER/ES指針 5.(教育訓練に関する事項を規定しておくこと)

教育で最初に伝えるべき一文

  • 「印刷して電子を消すのは、原本を捨てる行為になり得る」――この一文を、記録に触れるすべての担当者が理解している状態をつくることが出発点である。
  • 「電子は控えにすぎない」という思い込みは、担当者の善意(キャビネットとサーバーの整理)から生まれる。悪意がないぶん、規程と教育でしか止められない。

完全電子化への移行に向けて

制度の現在地(2026年8月時点)

元記事には「2025年の潮流」として、多くの企業が完全電子化への移行を検討している旨の記述があった。「潮流」を裏付ける統計を、調査主体・時点・母集団を特定できる形で確認できなかったため、本稿では移行率等の数値を示さない。代わりに、日付と条文で確認できる制度上の変化のみを挙げる。

時期 制度上の変化
2000年5月31日 電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)公布。第3条が電磁的記録の真正成立の推定を定める
2005年4月1日 ER/ES指針(薬食発第0401022号)適用開始。真正性・見読性・保存性の三要件が示される
2018年3月 MHRA「’GXP’ Data Integrity Guidance and Definitions」Revision 1 発出。original record/true copy/static/dynamic を定義
2018年12月 FDA「Data Integrity and Compliance With Drug CGMP: Questions and Answers」最終版発出
2021年7月1日 PIC/S PI 041-1 発効。ハイブリッドシステムの管理(9.10)と原本記録・true copy の廃棄(8.11)を規定
2022年1月1日 電子取引データの出力書面等による保存措置が廃止(令和3年度税制改正)
2022年5月25日公布
(令和4年法律第48号)
民事訴訟法改正。電磁的記録の証拠調べに関する第231条の2・第231条の3が新設され、第228条第4項が準用対象から除外される
2024年1月1日 電子取引データに関する宥恕措置が終了し、施行規則第4条第3項の猶予措置へ移行。出力書面のみの保存は認められなくなる

移行のメリット

完全電子化への移行には次の利点がある。削減額や短縮日数といった定量値は、調査主体・時点・母集団を特定できる出典を確認できなかったため記載していない。自社での試算に基づいて評価されたい。

  • コスト削減――印刷費、保管スペース、郵送費といった物理的コストが削減される。
  • 業務スピードの向上――物理的な移動や郵送が不要となり、締結・承認までの時間が短縮される。
  • 環境負荷の低減――紙の使用量が減少する。
  • データインテグリティ上の利点――紙と電子の継ぎ目そのものが消えるため、ハイブリッド固有の統制(インターフェースの管理、転記の照合、二重の照査)が不要になる。PIC/Sがハイブリッドの置き換えを推奨する理由はここにある。

移行時の注意点

しかし、完全電子化への移行は一朝一夕には進まない。取引先との関係、社内の承認フロー、従業員のITリテラシーなど、考慮すべき要素は多岐にわたる。段階的な移行計画を立て、着実に実行していくことが重要である。

特に留意すべきは、「紙をなくすこと」と「原本性を確保すること」は別の課題だという点である。電子化しただけでは、監査証跡が取れないシステム、権限管理が甘いシステム、長期保存に耐えない形式といった別の問題が生じる。移行にあたっては「電子記録の長期保存が困難な理由」および「タイムカプセルアプローチとは」で扱った落とし穴を、あらかじめ計画に織り込んでおきたい。

まとめ――「紙が正か電子が正か」への答え

  1. 原本は媒体ではなく「最初に記録された形態」で決まるMHRA 6.11.1 と PIC/S PI 041-1 用語集は、原本記録を「情報の最初の、または源となる捕捉」と定義している。したがって、紙に手書きしてスキャンしたなら原本は紙、電子的に生成して印刷したなら原本は電子であり、両者で原本は逆転する。
  2. 動的記録の印刷物は、原本でも true copy でもないFDA データインテグリティQ&A 問10 は、動的な電子記録について「印刷物や静的記録では完全な原本記録の一部である動的な記録形式を保存できず、原本記録または true copy を保管せよというCGMPの要求を満たさない」と明言している。一方、印字出力しか出さない天びんやpHメータでは、その紙が原本になる。機器と記録の性質を一件ずつ判定すること。
  3. 「印刷したから電子は消してよい」は、見読性と保存性の取り違えであるER/ES指針 3.1.2 の見読性は「紙に出力できる能力」を求めているにすぎない。3.1.3 の保存性は「保存期間内において真正性及び見読性が確保された状態で電磁的記録が保存できること」を求めている。両者は独立した要件であり、前者を満たしても後者は免除されない。
  4. 紙の「二段の推定」を電子にそのまま持ち込まない民訴法第231条の3第1項は、電磁的記録の証拠調べについて第228条第4項を準用対象から明示的に除外している。電磁的記録の推定は電子署名法第3条という別ルートで、かつ「本人だけが行うことができる」よう鍵が適正に管理されていることを条件に働く。
  5. 税務の結論をGxPに、GxPの結論を税務に持ち込まない電子帳簿保存法第7条は電子取引データの電子保存を義務づけ、2024年1月1日以後は猶予措置下でも出力書面のみの保存を認めない。方向はGxPと一致するが根拠法は別である。逆に、消費税に係る保存義務者には出力書面による保存が引き続き認められるなど、税務側には税務側の例外がある。

デジタル化の波は確実に進んでいる。しかし、その過渡期である現在、紙と電子の双方を適切に管理する知恵が求められている。安易な削除は将来の大きなリスクとなることを肝に銘じ、堅実なデータ管理を実践していくことが、これからの時代を生き抜く組織の条件となるであろう。

本稿で採用しなかった記述:
(1) 「2025年現在、多くの企業が完全電子化への移行を検討している」という潮流の記述――調査主体・時点・母集団を特定できる統計を確認できなかったため、数値および「潮流」としての断定は採用せず、日付と条文で確認できる制度変化の年表に置き換えた。
(2) 「通常7年〜10年」という保存期間のレンジ――根拠法令ごとに起算点も年数も異なるため、一般化した数値は記載していない。
(3) 完全電子化による削減額・短縮日数の定量値――出典を特定できないため記載していない。
(4) 「電子帳簿保存法の改正により、一定の要件を満たせば電子データも正本として認められるようになった」――税法上の保存義務と民事訴訟法上の証拠力を混同するおそれがあるため、両者を節に分けて記述した。

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参考・出典(一次情報源)

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