
なぜヒューマンエラーとソフトウェアエラーは発生確率を求めないのか
ヒューマンエラーとソフトウェアエラー:「いつかは」ではなく「必ず」起こる
皆が一生懸命に仕事をしている最中、時折襲ってくる不慮のトラブルである。それが人間に起因するヒューマンエラーであったり、コンピューターシステムに起因するソフトウェアエラーであったりするものである。
一体なぜこのようなトラブルが発生するのであろうか。驚かれるかもしれないが、これらのエラーは、「いつかは起こる」ものではなく、「必ず起こる」ものとして捉えるべきである。ここで一緒に、その理由と対策を考えてみることとする。
予測不能なエラーという存在
ヒューマンエラーとは、人間の行動や判断により起こる誤りのことであり、ソフトウェアエラーはコンピュータのプログラム上の不具合を指す。これらの共通点は、一般的に起こる確率が予測困難であるという特性である。
例えば、交通渋滞の発生確率を予測する際、前日の気温や降水量、道路の混雑状況等のデータを元に算出されるが、ヒューマンエラーやソフトウェアエラーの発生確率を必ずしも同じように数値化して予測することは不可能である。
それは、人間の誤りが思考過程や状況判断、モラルや技術力など様々な要素が複雑に絡み合って発生し、ソフトウェアエラーもプログラムの複雑性や互換性の問題、さらには未知の脅威であるウイルス等からくるものなど、数式に落とし込むことが難しいからである。
そのため、これらのエラーでは発生確率を正確に予測することはせず、最大値(必ず起きる)として評価する。
重大性に注目する管理方法
そこで、エラー対策のコストや時間を有効活用するために、エラーの重大性に注目し、それについて考えるべきである。簡単に言えば、「問題が起こったときにどれだけ影響を受けるか」を評価し、それに対してどのような予防策を講じるべきかを考えるのである。
具体的な例を挙げてみる。たとえば、大手企業の組織改編などで新たな部門が設立されるとする。その中に新しく入社したばかりの若手社員がいたとしよう。彼のヒューマンエラーがもたらす影響と、ベテラン社員の誤りがもたらす影響、どちらのほうが大きいであろうか。「若手は影響力がまだ少ないから安全」と思うかもしれないが、ミスしても影響が少ないと放置してしまうと、それが大きな失敗につながることもある。そして、そのような場合でも、そのエラーが必ず起きると想定し、予防策を立てることが必要なのである。
もう一つ、ソフトウェアエラーについても具体例を挙げてみる。クラウドサービスが一時的に停止した場合と、全社のコアシステムが完全にダウンした場合、どちらの影響の方が大きいであろうか。答えは明らかである。ゆえに、予防策もその影響の大きさに見合ったものにするべきなのである。
最後に
いずれにせよ、ヒューマンエラーもソフトウェアエラーも「必ず起きる」という前提で考え、予防策や対策を検討しよう。そして、それぞれのリスクの大きさに基づいて優先順位をつけ、組織全体の安定した運営につなげていくものとする。エラーが起きたときにパニックになるのではなく、落ち着いて対策を講じることができれば、それはすでに一歩前進なのである。
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