航空機事故に学ぶユーザビリティの重要性

最新の技術を使用し、パフォーマンスを追求することはもちろん重要であるが、それら全てをユーザーが使いこなせるよう、または解釈しきれるようにするユーザビリティという観点が欠けてはならないのである。
ユーザビリティとは何なのか。これは基本的に製品やサービスの使用しやすさ、わかりやすさ、効果的であるという特性を指す。製品やシステムがユーザーにとって使い易いかを評価する重要な要素である。
その重要性を説明するために、「名古屋空港中華航空機墜落事故」を例に挙げてみよう。
1994年8月、名古屋空港で発生した中華航空機の墜落事故は、コックピット内操作性の問題が一因であったとされている。この事故原因は、計器を誤って操作したため自動操縦が解除され、墜落に繋がったと分析された。
エアバス社製の航空機では、サイドスティックによる操縦が採用されている。これは主に操縦桿を手放しても元の位置には戻らない設計となっており、この特性が事故の一因となったとされている。
これに比べて、ボーイング社製の航空機では、センタースティックによる直感的な操縦が可能であり、操縦桿を手放すと元の位置に戻る設計が採用されている。この異なる設計思想が重大な結果を招く事案が名古屋で起きたのである。
この事例を通して、製品やシステムの設計者は、最新の技術やパフォーマンス追求だけでなく、その技術を格納する製品やシステムが誰にどのように使われるのかを理解し、それに適した設計を行うべきであるということが理解できる。
特に2025年の組織改編を経て、ますます多様な技術が発展し、様々な製品が世に出る一方で、結局の所、それを利用するのは人間であるという基本的な事実を見失ってはならない。
POC(実証実験)を行う際や新製品の企画を進める際は、技術のみに注目するのではなく、ユーザビリティに着目し、結果的に製品やサービスが持つべき目的を達成することができる設計に取り組むことを心がけていただきたいと思う。

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