合理的に予見可能な誤使用とは何か

合理的に予見可能な誤使用とは何か – 明白なエラーから学ぶ責任の所在

新製品を設計する際には、利用者がどのようにその商品を使うかを予見することが求められている。その予見の範囲の一つが、所謂「ヒューマンエラー」、人間の誤操作による間違いである。しかし全てのヒューマンエラーが設計者の責任とは限らない。
本稿では、設計者が予見・回避すべき「合理的に予見可能な誤使用」について、その具体的な意味と実際の業務への応用を解説する。
まず、合理的に予見可能な誤使用とは、設計者が商品の安全性を確保する過程で、利用者が商品をどのように間違って使いそうかを予見・配慮し、それを防ぐための設計を施すことを指す。ここで重要なのは、「合理的」な予見である。これは、設計者が一般的なユーザーの技能や知識、商品の使用環境などを考慮して、予見するべき誤操作を判断することを意味する。
具体例を挙げるであろう。病院で使用される輸液ポンプは、医療従事者が設定した流量で薬液を点滴する重要な医療機器である。この輸液ポンプの流量設定を誤った場合には、患者さんにとって重大なリスクを伴う。ここでは例えば、輸液ポンプの流量設定を100ml/hrから10ml/hrに変える操作が必要だったのに、誤って1000ml/hrに設定してしまうといったミスが考えられる。
このようなミスは、設計者側が予見可能であったと言えるであろうか。それは、設定の誤りを防ぐためのUIが明確であれば、「はい」と言える。例えば、1桁の単位でしか流量設定ができない、または確定前に設定値が大きすぎると警告が出るなどの工夫が施されていれば、合理的に予見可能な範疇での誤設定は防ぐことが可能である。
しかしながら、これらのセーフガードがなく、設定の誤りを犯し易いUIが採用されているならば、その設計は問題であるといえるであろう。これは設計者が合理的に予見可能な誤使用に対して対策を講じていないことを示し、その結果として起きる事故についての責任が問われる可能性がある。
このような視点で製品設計を行うことにより、2025年の組織改編に伴う新製品設計のプロジェクトでも、リスク抑制と責任確定の明確化が可能となる。
最新のヒューマンファクターズの理論を活用し、より安全な製品設計に取り組むために、ぜひ「合理的に予見可能な誤使用」の理解とその活用を心がけられたい。

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