AIは副操縦士、あなたは機長
~Co-Pilotの本当の意味を誤解していないか~
AIはよく「Co-Pilot(副操縦士)」と呼ばれる。ところが、副操縦士=アマチュアと誤解されがちである。
副操縦士は、訓練を受け、免許を持ち、何千時間もの飛行経験を積んだ立派な専門家である。
機長が倒れたとしても、離陸から巡航、着陸、Go-Around(着陸復行)まで、すべてのオペレーションを単独でこなせる。
ではなぜ機長が必要なのか。
それは「最終決断権」と「責任」を負うためである。
航空法上の用語で言えば、Pilot in Command(PIC)。
離陸の可否、着陸復行の判断、緊急時の対応ーーこれらの重大な決断を下し、結果に責任を負うのが機長の役割である。
皆様は機長である。AIは副操縦士である。ただし、この副操縦士は皆様よりIQが高いかもしれないーー。
自分よりIQの高い専門家を使いこなすこと。
これが今後求められる「AIリテラシー」の本質である、と筆者は申し上げたい。
これは、若手部下の方が新しい技術に詳しいベテラン上司の状況に似ている。
違いは、相手が24時間疲れず、感情で動かないというだけである。
規制当局の視点でも同じことが言える。
AI出力の最終承認は、責任を負える人間がするしかない。
決断と責任は、決して機長から離れない。
AIに「丸投げ」することは、機長が席を立つに等しい行為なのである。
実務的には、AI出力に対する人間の承認記録を、ALCOA+のAttributable観点で残すこと。
誰がレビューし、何を修正し、なぜ承認したかを、出力ペアと一緒に保管することが肝要である。
読者へのアクション:
AI承認SOPに「機長サイン欄」を必ず設け、PIC(承認責任者)の氏名・日時・判断根拠の記録を運用ルールに組み込んでいただきたい。