なぜ初期リスクより残留リスクに注目すべきなのか

初期リスクより残留リスクへのシフト ― なぜ注目すべきなのか

リスクマネジメントというと、株式投資や企業経営における経済的なリスクが思い浮かぶであろう。今回は、製品開発の場面でのリスクマネジメントについて取り上げる。特に注目すべきは「残留リスク」という概念である。では、残留リスクとは何であろうか。

初心者向けの説明:「残留リスク」とは?

「残留リスク」とは、製品開発のプロセスにおける可能性のある危険性(リスク)のうち、すべてのリスク管理策を実施した後にまだ残ってしまうリスクのことを指す。それに対して、「初期リスク」はリスク対策が施される以前の段階で考えられるリスクである。

なぜ「残留リスク」なのか

では、なぜ「残留リスク」に注目するのであろうか。実は、初期リスクアセスメントではリスクの詳細な発生確率を正確に推定することが困難なのである。そのため、以前は保守的なリスクアセスメントとして、初期リスクを最大値として評価する方法が一般的であった。
しかし、これではリスク認識を過大評価してしまうリスクがある。たとえば、ポテトチップスに野菜の栄養が全く無いと思い込んで、一切食べないという行動をとることは、健康を害する可能性がある。
そこで、「残留リスク」である。実際のリスクをより的確に評価するため、リスクコントロール(対策)を講じた後の残留リスクに焦点を当てることで、より正確な安全性評価が可能となるのである。

ユーザーへの開示と実務への応用

そして、この残留リスクは、添付文書や製品説明書などでユーザーに開示する必要がある。これにより、ユーザーは自身の判断で安全に製品を使用できるようになる。
また、最新の組織改編により、リスク管理の視点が初期リスクから残留リスクへと移ることで、取り組むべきリスク管理の対象や範囲が明確化され、より効率的な業務フローが可能となるのである。

まとめ

リスクマネジメントの目的は、リスクコントロール実施後も残る「残留リスク」を受容可能なレベルにすることである。初期リスクアセスメントでは発生確率の推定が難しいため、リスクコントロール後の残留リスクに注目すべきである。これにより、製品安全性の評価がより正確になり、ユーザーに対する適切な情報開示や業務改善に繋がるのである。

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