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なぜ人類は囲碁・将棋でAIに勝てなくなったのか ~「学習データのある世界」と「ない世界」の決定的な差~

15年から20年前、人間とAIの将棋・囲碁・チェスは一進一退であった。3勝2敗、2勝3敗 — どっこいどっこいだったのである。
なぜか。当時のAIは、人間の棋譜を読んで覚えて繰り返していたにすぎなかったからだ。「学習データ」は人間が用意するものであり、いわばAIは「人間の写し鏡」に過ぎなかった。
ところが2017年、DeepMindのAlphaGo Zeroは「人間の棋譜を一切使わず」自己対局のみで囲碁を学習した。
3日でAlphaGo Lee(イ・セドル戦の版)を100対0で破ったのである。
続くAlphaZeroは、わずか24時間で囲碁・チェス・将棋すべてで超人レベルに達し、チェスではStockfishをわずか4時間で凌駕した。
「人間が教えなくなった瞬間」AIは人類の手を離れたのである。
これが意味するのは、AIの強さの上限を決めていたのが「人間の知見の上限」だった、ということである。
教師役を外した瞬間に、その天井が消えた。
筆者はこの構造が、業務領域にも遠からず波及すると考えている。
AIエージェントが業務プロセスを自己改善し始めた時、それを評価できる人間がいるか — この問いを、今のうちに準備しておく必要がある。
GxP環境ではなおさら、人間が「教師」であり続けられる仕組みを残しておくべきである。
具体的には、AIが提案した手順変更を、必ず人間のレビュー・承認・変更管理プロセスに通す仕組みを変更管理SOPに明記しておくことだ。
読者へのアクション:自社の業務改善で「AIが提案した変更」をどう取り扱うかを、変更管理SOPに今のうちに織り込んでおくことを強く推奨する。

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