保存とは

日本版ER/ES指針の理解で、間違いが多いのは、保存という言葉の定義です。
電磁的記録による保存とは、紙媒体に替って、フロッピーディスクやCD-R等の電磁的記録媒体によって資料等を保存することをさします。
ただし、多くの場合はハードディスク上に保存されることが多いと思います。
ソフトウェアの保存ボタンを押すことと混同してはいけません。
つまり資料作成途上において、昼休みや退社時に自身のPC上に一旦セーブすることを「保存」とは言いません。
紙媒体による「保存」を電子媒体に変更したからという理由で、保存のタイミングが早くも遅くもなるものではありません。
紙媒体同様、承認された資料(場合によっては原資料)を、鍵のかかるキャビネットに整理して置く状態を「資料の保存」と言います。
ただし電子媒体の場合、紙媒体とは異なった要件があります。
特にハードディスクに保存する場合の注意が必要です。
ドキュメント管理システムなどのセキュリティが確保され、万が一の改ざんに備えて監査証跡が自動的に記録されるデータベースに、ストア(チェックイン)しなければならないでしょう。
もしネットワーク上のファイルサービスや自身のPCのハードディスク上に置いておくと、紙に例えれば、机の上に書類を放置しておくことと同じといえます。
電磁的記録の利用に当たっては、紙媒体での品質および品質保証のレベルを劣化させないような配慮が必要になります。

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