- 第3章の主な内容は以下の通りです。
- デバイスの識別とトレーサビリティ。
- サプライチェーン内での識別を義務付け
- 経済事業者に対し、デバイスの供給元と供給先の記録保持を要求
- 医療機器の命名法。
- 国際的に認められた医療機器命名法の無料利用を確保
- 固有デバイス識別(UDI)システム。
- UDIの生成、ラベル表示、保存、データベース構築を規定
- UDI発行機関の指定基準を設定
- デバイスと経済事業者の登録。
- 製造業者によるデバイス情報の登録義務
- 輸入業者と販売業者の登録義務
- 安全性と臨床性能の要約。
- 一部のデバイスについて、製造業者による要約作成と公開を義務付け
- 欧州医療機器データベース(Eudamed)。
- デバイス、経済事業者、適合性評価等の情報を集約するデータベースの構築
- デバイスの識別とトレーサビリティ。
要約すると、この章はデバイスの識別とトレーサビリティを確保し、関連情報を集約・公開するための仕組みを定めています。
第25条 サプライチェーン内での識別
- 第25条の主な内容は以下の通りです。
- 流通業者と輸入業者は、製造業者または正規代理人と協力して、デバイスの適切なトレーサビリティレベルを実現する必要がある。
- 経済事業者は、第10条(8)に定める期間、以下を特定できるようにしなければならない。
- デバイスを直接供給した経済事業者
- デバイスを直接供給してくれた経済事業者
- デバイスを直接供給した医療機関または医療専門家
要約すると、この条項はサプライチェーン内でのデバイスの追跡可能性を確保するため、経済事業者に対して取引先や供給先の記録保持を義務付けています。これにより、問題が発生した場合の迅速な対応や、不適合品の市場からの排除を容易にすることを目的としています。
第26条 医療機器の命名法
- 第26条の主な内容は以下の通りです。
- 欧州医療機器データベース(Eudamed)の機能を促進するため、欧州委員会は国際的に認められた医療機器の命名法を無料で利用できるようにする必要がある。
- この命名法は、本規則によってその使用を求められる製造業者やその他の自然人・法人が無料で利用できるようにしなければならない。
- 欧州委員会は、合理的に実行可能な場合、その他の利害関係者にもこの命名法を無料で利用できるよう努めなければならない。
要約すると、この条項は医療機器の標準化された命名法の無料提供を義務付け、Eudamedの機能向上と関係者間の情報共有の促進を目的としています。これにより、医療機器の識別と追跡が容易になり、安全性と透明性の向上が期待されます。
第27条 ユニーク機器識別システム
- 第27条の主な内容は以下の通りです。
- 固有デバイス識別(UDI)システムの概要を規定しています。UDIシステムは以下で構成されます。
- UDIの生成(UDIデバイス識別子とUDI製品識別子)
- デバイスのラベルまたは包装へのUDIの貼付
- 経済事業者、医療機関、医療専門家によるUDIの保管
- UDIデータベースの構築
- 欧州委員会がUDI発行機関を指定する権限を持ちます。発行機関は法人格を持ち、国際基準に適合したシステムを運用する必要があります。
- UDIシステムの適用範囲や実施時期を規定しています。クラスIIIデバイスから段階的に適用され、最終的にはクラスIデバイスにも適用されます。
- 製造業者はUDIを割り当て、デバイス情報をUDIデータベースに登録する責任があります。
- 経済事業者や医療機関はUDIを記録・保管する義務があります。
- 欧州委員会はUDIシステムの実施に関する細則を定める権限を持ちます。
- 固有デバイス識別(UDI)システムの概要を規定しています。UDIシステムは以下で構成されます。
要約すると、この条項はUDIシステムの導入によるデバイスの識別とトレーサビリティの向上を目的としています。
第28条 UDIデータベース
- 第28条の主な内容は以下の通りです。
- 欧州委員会は、UDIデータベースを設立・管理し、UDIシステムの実施前に検証する。
- UDIデータベースには、以下の情報が含まれる。
- UDI-DIに関連する情報
- 製造業者、承認代理人、輸入業者の情報
- デバイスの種類、モデル、名称等
- リスククラス
- 単一デバイスか複数デバイスのパッケージか
- 単回使用か再使用可能か
- 滅菌状態
- 必要な処理
- 警告や禁忌
- 臨床評価
- UDIデータベースの技術仕様、データ提出方法等は実施法で定める。
- UDIデータベースの情報は一般に公開される。
- UDIデータベースの設計には、個人データや商業機密情報の保護を考慮する。
要約すると、この条項はUDIデータベースの設立と運用、そこに含まれる情報、アクセス権限などを規定しています。これにより、医療機器の追跡可能性と透明性の向上を図っています。
第29条 機器の登録
- 第29条の主な内容は以下の通りです。
- 製造業者は、デバイスを市場に出す前に、以下の情報をEudamedに登録する必要があります。
- 製造業者に関する情報
- デバイスのUDI-DI
- デバイスの種類、モデル、名称等の情報
- リスククラス
- 該当する場合は単回使用か再使用可能か
- 新規技術の有無
- 該当する場合は滅菌状態
- 使用説明書に含まれる情報
- 追加情報(該当する場合)
- 製造業者は、登録情報に変更があった場合は30日以内に更新する必要があります。
- 登録情報の確認後、Eudamedは基本UDI-DIを割り当てます。
- 製造業者は、登録情報の正確性を確認し、提供された情報の正確性に責任を負います。
- 製造業者は、サプライヤーや登録者の詳細を非公開にすることができます。
- 欧州委員会は、登録に必要な情報の詳細を定める実施法を採択する権限を持ちます。
- 製造業者は、デバイスを市場に出す前に、以下の情報をEudamedに登録する必要があります。
要約すると、この条項はデバイスの登録プロセスと必要な情報を規定し、透明性と追跡可能性を確保することを目的としています。
第30条 経済事業者登録のための電子システム
- 第30条の主な内容は以下の通りです。
- 製造業者は、デバイスを市場に出す前に、以下の情報をEudamedに登録する必要があります。
- 製造業者に関する情報
- デバイスのUDI-DI
- デバイスの種類、モデル、名称等の情報
- リスククラス
- 該当する場合は単回使用か再使用可能か
- 新規技術の有無
- 該当する場合は滅菌状態
- 使用説明書に含まれる情報
- 追加情報(該当する場合)
- 製造業者は、登録情報に変更があった場合は30日以内に更新する必要があります。
- 登録情報の確認後、EudamedはUDI-DIを割り当てます。
- 製造業者は、登録情報の正確性を確認し、提供された情報の正確性に責任を負います。
- 製造業者は、サプライヤーや登録者の詳細を非公開にすることができます。
- 欧州委員会は、登録に必要な情報の詳細を定める実施法を採択する権限を持ちます。
- 製造業者は、デバイスを市場に出す前に、以下の情報をEudamedに登録する必要があります。
要約すると、この条項はデバイスの登録プロセスと必要な情報を規定し、透明性と追跡可能性を確保することを目的としています。
第31条 製造業者、正規代理店、輸入業者の登録
- 第31条の主な内容は以下の通りです。
- 輸入業者は、デバイスを市場に出す前に、以下の情報をEudamedに登録する必要があります。
- 輸入業者の名称、登録商号または商標、登録事業所の住所、連絡先詳細
- 製造業者の名称、登録商号または商標、登録事業所の住所、連絡先詳細
- 該当する場合は、正規代理人の名称、登録商号または商標、登録事業所の住所、連絡先詳細
- 輸入業者は、登録情報に変更があった場合、1週間以内に更新する必要があります。
- 加盟国は、自国内で市場に出されるデバイスの輸入業者に対し、追加の登録要件を課すことができます。
- 販売業者は、デバイスを入手可能にする前に、輸入業者が必要な情報を登録したことを確認する必要があります。
- 販売業者は、自身の情報(名称、登録商号または商標、住所)をEudamedに登録する必要があります。
- 輸入業者は、デバイスを市場に出す前に、以下の情報をEudamedに登録する必要があります。
要約すると、この条項は輸入業者と販売業者の登録義務を規定し、サプライチェーンの透明性と追跡可能性を確保することを目的としています。
第32条 安全性と臨床成績のまとめ
- 第32条の主な内容は以下の通りです。
- 製造業者は、デバイスを市場に出す前に、以下の情報をEudamedに登録する必要があります。
- 製造業者に関する情報
- デバイスのUDI-DI
- デバイスの種類、モデル、名称等の情報
- リスククラス
- 該当する場合は単回使用か再使用可能か
- 新規技術の有無
- 該当する場合は滅菌状態
- 使用説明書に含まれる情報
- 追加情報(該当する場合)
- 製造業者は、登録情報に変更があった場合は1週間以内に更新する必要があります。
- 登録情報の確認後、EudamedはUDI-DIを割り当てます。
- 製造業者は、登録情報の正確性を確認し、提供された情報の正確性に責任を負います。
- 製造業者は、サプライヤーや登録者の詳細を非公開にすることができます。
- 製造業者は、デバイスを市場に出す前に、以下の情報をEudamedに登録する必要があります。
要約すると、この条項はデバイスと製造業者の登録プロセスと必要な情報を規定し、透明性と追跡可能性を確保することを目的としています。
第33条 医療機器に関する欧州データベース
- 第33条の主な内容は以下の通りです。
- 欧州委員会は、欧州医療機器データベース(Eudamed)を設立・維持する。
- Eudamedの目的。
- 一般市民が適切に情報を得られるようにする
- 単一の識別番号を生成し、UDIシステムの機能を促進する
- デバイス、関連事業者、適合性評価、公認機関、証明書、臨床調査、警戒、市場調査に関する情報を収集・処理する
- Eudamedは以下の電子システムで構成される。
- UDIデータベース
- デバイスと事業者の登録システム
- 証明書に関するシステム
- 臨床調査システム
- 警戒・市販後調査システム
- 市場調査システム
- Eudamedの仕様は欧州委員会が採択する。
- Eudamedは、加盟国、欧州委員会、公認機関、経済事業者、スポンサーが情報を入力できるようにする。
- Eudamedに入力された情報は、すべての加盟国と欧州委員会がアクセス可能とする。
- 欧州委員会は、一般市民と医療専門家がEudamedに適切にアクセスできるようにする。
要約すると、Eudamedは医療機器に関する包括的な情報システムを構築し、透明性と情報共有を促進することを目的としています。
第34条 Eudamedの機能
- 第34条の主な内容は以下の通りです。
- 欧州委員会は、医療機器に関する情報を収集・処理するための電子システムとしてEudamedを設立・維持する。
- Eudamedの目的。
- 一般市民が適切に情報を得られるようにする
- UDIシステムの機能を促進する
- デバイス、経済事業者、適合性評価、公認機関、証明書、臨床調査、警戒、市場調査に関する情報を収集・処理する
- Eudamedは以下の電子システムで構成される。
- UDIデータベース
- デバイスと事業者の登録システム
- 証明書に関するシステム
- 臨床調査システム
- 警戒・市販後調査システム
- 市場調査システム
- Eudamedの仕様は欧州委員会が採択する。
- 加盟国、欧州委員会、公認機関、経済事業者、スポンサーが情報を入力できるようにする。
- 入力された情報は、加盟国と欧州委員会がアクセス可能とする。
- 一般市民と医療専門家が適切にアクセスできるようにする。
要約すると、Eudamedは医療機器に関する包括的な情報システムを構築し、透明性と情報共有を促進することを目的としています。