データインテグリティの基本構成要素

データインテグリティは完全性、正確性、一貫性、セキュリティという4つの柱から構成されている。

完全性とは、データに欠損がないことを意味する。例えば「140」という数値だけでは意味をなさず、それが特定の患者の、特定の日時における収縮期血圧(つまり血圧値)であるという情報(メタデータ)が揃って初めて完全性が確保される。
また、製造記録の一部が紛失した場合、トレーサビリティが失われ、患者の治療に重大な影響を及ぼす可能性がある。

正確性については、データが誤りなく現実を反映していることが求められる。これには設備や分析機器の適切な操作、試薬の正確な使用、データの転記や計算の正確性など、多岐にわたる要素が含まれる。
例えば、試薬の量を間違えた場合、その誤りは品質試験の信頼性を完全に損なうことになる。
さらに、転記ミスや入力ミス、計算ミスなども、データの正確性を脅かす重大な要因となる。

一貫性については、プロセスを再現した際に同じ結果が得られることが不可欠である。異なる分析者が同じ試験を実施した場合や、同じデータを再解析した場合でも、一貫した結果が得られなければならない。データ間の不整合は、製品品質の信頼性に疑問を投げかけることになる。

セキュリティは、データが改ざんや削除から適切に保護されていることを意味する。これには意図的な改ざんだけでなく、事故による変更や削除からの保護も含まれる。適切なアクセス制御やバックアップ体制の確立が不可欠である。

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