FDA臨床試験で使用されるコンピュータシステムガイダンス改定
FDA臨床試験で使用されるコンピュータシステムガイダンス改定
米FDAは、2024年10月に「Electronic Systems, Electronic Records, and Electronic Signatures in Clinical Investigations: Questions and Answers」(臨床試験における電子システム、電子記録、電子署名:Q&A)と題するガイダンスを発行した。
このガイダンスは、2007年5月の「Computerized systems Used in Clinical Investigation」(臨床試験で使用されるコンピュータシステム)というガイダンスを置き換えるものである。
このFDAのガイダンスは、臨床試験における電子システム、電子記録、電子署名の使用に関する推奨事項を提供している。
- 主なポイントは以下の通りである。
- 電子記録と電子署名の信頼性と信憑性を確保するための要件を説明している。
- 電子システムのバリデーション、監査証跡、アクセス制御などのセキュリティ対策の重要性を強調している。
- ITサービスプロバイダーとの契約や、そのサービスの監督に関する推奨事項を提供している。
- ITサービスプロバイダーに関する詳細な指針として、クラウドコンピューティングなどのITサービスの利用に関する考慮事項が追加されている。
- デジタルヘルステクノロジー(DHT)を使用してデータを収集する際の考慮事項を説明している。
- 電子署名の使用方法と要件について詳細なガイダンスを提供している。
- リスクベースのアプローチを採用し、臨床試験の重要性や複雑さに応じて適切な管理を行うことを推奨している。
- データインテグリティ、真正性、機密性を確保するための手順とプロセスの重要性を強調している。
- FDAの査察時に必要となる文書や記録について説明している。
このガイダンスは、スポンサー、治験責任医師、IRB、CROなどの関係者が、21 CFR Part 11の要件を満たしながら、効率的に電子システムを活用できるよう支援することを目的としている。
また技術の進歩への対応として、2003年の「FDA Guidance for Industry: Part 11, Electronic Records, Electronic Signatures – Scope and Application」ガイダンス以降の電子システムや技術の進歩を反映し、最新の推奨事項を提供している。
本ガイダンスは、Q&A形式を採用し、より具体的で実用的な指針を提供している。
- 本ガイダンスの目次は以下の通りである。
- I. INTRODUCTION
- II. BACKGROUND
- III. QUESTIONS AND ANSWERS
- Electronic Records
- Electronic Systems Deployed by Regulated Entities
- Information Technology Service Providers and Services
- Digital Health Technologies
- Electronic Signatures
- GLOSSARY
APPENDIX: RELEVANT FDA REFERENCES 本ガイダンスの邦訳はこちら。