Part11査察について

◎Part11査察なんかない!!
医療機器企業に対してコンサルテーションやセミナーを実施すると、必ずと言って良いほど、Part11査察対応について質問をされる。
Part11対応は重要である。しかし、Part11遵守は手段であって、目的ではない。
そもそも、Part11査察(Part11に特化した査察)というものはない。
製薬企業への査察はcGMPに従って実施され、また医療機器企業への査察は、QSR(21 CFR Part 820)に従って実施され、指摘が行われる。
その際に、電子記録の信頼性に問題がある場合、Part11を根拠とした指摘が行われるのである。
つまり、査察官が「Part11チェックリスト」のようなものを持参してくるわけではない。
多くの製薬・医療機器企業では、Part11違反を指摘されることを嫌い、紙媒体が正であると定義している。
しかしながら、このことは逆にFDAの反感を買うことになりかねない。
なぜならば、FDAは、紙媒体ではなく、電子で査察を進めたいからである。
紙媒体の場合、査察官が要求してから提出されるまでに時間がかかってしまう。
また、査察官がコピーを持ち帰ろうとする場合、量が多くなってしまう。
たとえ、紙媒体を正と定義していても、実際のプロセスを電子で行ている場合は、FDAは電子を正と認定することが多いので、注意が必要である。
Part11は、最終形が紙媒体かどうかではなく、プロセスの途中で電子記録を使用している場合に適用されるので、注意が必要である。

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