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ポテトチップは医薬品よりもハイテク製品か

https://qmsdoc.com/product/md-qms-358/
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ポテトチップは医薬品よりもハイテク製品か

ポテトチップは医薬品よりもハイテク製品か

医薬品・医療機器企業はITシステムや自動化システムへの投資に消極的であった。
その理由は、Part11やCSVといった規制要件があるためである。
CSVでは、多くの文書化とテスト実施を強いられ、規制当局の査察時に提示し、説明をしなければならない。
CSV実施には多くの時間、労力、コストがかかる。
それでも規制当局の査察時に指摘を受けることがある。企業は規制当局からの指摘や、最悪の場合のワーニングレターの発行などに怯えてきた。
これらが、医薬品・医療機器産業の技術革新を遅らせてきた元凶となってきた。
食品業界や化学品業界など、他の産業においては、ITシステムの導入や自動化システムの導入によって、コストを下げ、品質を向上させている。


2003年9月3日のThe Wall Street Journalに以下の記事が掲載された。

製薬業界にはちょっとした秘密がある:
たとえ画期的な新薬を開発しても、その製造技術はポテトチップスや洗濯石鹸のメーカーに比べ、はるかに遅れている。
ポテトの水分等が変わっても硬さが一定のポテトチップスが製造できている。 医薬品製造に、この状況を置き換えると、どうであろうか!

CSVからCSA

CSVやPart11対応のための文書は、患者の安全性の担保や製品の品質の保証になんら貢献することなく、査察時に査察官に提示するためだけに作成されてきた。
つまり、コンプライアンスに大きな負担がかかってきた。
CSVやPart11対応のために遣われたコンプライアンスコストは、患者のためではなく査察のために消費されてきた訳である。品質の悪い製品を市場に出すことを恐れるのではなく、査察での指摘を恐れて、あまりにも多くの作業が行われている。
企業が遣ったコンプライアンスコストは、薬価に転嫁され、結果的に患者負担となってしまうのである。
これでは本末転倒である。
2022年9月13日付で、FDAがドラフトガイダンス「Computer Software Assurance for Production and Quality System Software」(以下、CSAガイダンス)を公開した。
CSAガイダンスは、製薬業界・医療機器業界が自動化システムの導入の最大の障壁としてきた、CSVを根本的に見直したものである。
これまでの様な文書化のための文書化ではなく、スクリプトやテストログを作成しないアドホックなテストの導入や、最低限の文書の作成といった推奨事項が紹介されている。 CSAの適切な導入によって、製薬業界・医療機器業界の電子化に弾みがつき、技術革新が進んでいくことになるだろう。

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