テクニカルレポートとは何か
テクニカルレポートとは何か
ISOやIEC等の国際規格には” What” しか記載出来ない。その理由は”How”を書いてしまうとその通り実施していない場合、指摘となってしまうためである。
しかしながら”How” が記載されていない場合、具体的にどのように実施して良いのかが不明となる。
そこで、しばしば ISO や IEC では、テクニカルレポート(TR)と呼ばれる文書を発行する。
テクニカルレポートは、要求事項ではなく例または参照である。
従って、国際規格の要求事項を遵守するために参考にするものであって、必ずしもその通り実施しなければならないものではない。
つまりそれらの遵守は必須ではない。
テクニカルレポートの例
IEC/TR 80002-1『医療機器ソフトウェア-第1部:医療機器ソフトウェアへのISO 14971の適用の手引』は、IEC 62304 『医療機器ソフトウェア-ソフトウェアライフサイクルプロセス』が要求するリスクマネジメント(ISO 14971)に関するテクニカルレポートである。
ISO/TR 80002-2『医療機器ソフトウェア-第2部:医療機器の品質システムで使用するソフトウェアのバリデーション』は、ISO 13485:2016のソフトウェアバリデーション要求事項(箇条4.1.6、7.5.6、7.6)の実施方法を解説する規格である。
リスクマネジメントに関しては、ISO 14971:2007『医療機器-リスクマネジメントの医療機器への適用』がISO14971:2019に改定された際に、ISO/TR 24971『医療機器-ISO 14971適用の指針』が発行された。
ISO 14971:2007にはあった附属書(Annex)のうち、付属書C、F、JがISO/TR 24971に移動された。
つまりこれらの附属書は要求事項ではなく、参考といった位置付けになった。