資源の運用管理(その2)
【連載】ISO-13485:2016対応の要点
【第5回】資源の運用管理(その2)
インフラストラクチャ
ISO-13485:2016では、製品要求事項適合性の確保と、混同の防止、製品の取り扱いを保証するインフラストラクチャへの要求事項が追加となった。
インフラストラクチャとは、
a) 建物、作業場所および関連するユーティリティ
b)設備 (ハードウェアとソフトウェアとを含む。)
c)支援体制 (例えば、輸送、通信または情報システム)
を指す。
建物
建物は混同を防止するために十分なスペースがなければならない。
混同の例としては、不適合品(部品、ユニット、半製品、仕掛品、完成品等)のラインへの混入が考えられる。
設備
設備は製造設備(工具、冶具、装置、システム等)や測定機器などが含まれる。
昨今ではソフトウェアが搭載された自動化システム(例:自動半田付け装置)が多用されている。コンピュータによって制御された自動化システムのことをコンピュータ化システムと呼ぶ。
また設備はソフトウェアを含めてバリデーションの対象である。
支援体制
製造された最終製品の品質保証のみならず、輸送中の機器(試薬を含む)の品質保証も実施しなければならない。
情報システムとは、製造記録や品質記録(苦情、CAPA、教育訓練、監査等)を保持するソフトウェア(コンピュータシステム)のことであり、ソフトウェアバリデーションが要求される。
保守活動
上記インフラストラクチャに対する保守活動(日常点検、定期点検、校正等)またはその欠如が製品の品質に影響を与える場合、保守活動の実施の間隔を含む保守活動の要求事項をQMSに文書化しておかなければならない。
保守活動には、製造、作業環境の管理や監視および測定に用いる設備にも含まれる。