市販のパッケージを利用する場合、FSの作成に先立って、ユーザはパッケージを試用してみることは有意義である。
事前にパッケージを評価し、当該パッケージがユーザ要求仕様を満たすものであるかどうか、またその仕様の変更(パラメータの設定、カスタマイズなど)を検討するためにパッケージを試用することを、CRP(Conference Room Pilot)と呼ぶ。
CRPでは、ベンダーからパッケージを借受け(または数ライセンス購入し)、会議室内で実際に利用してみることによって、現在のビジネスプロセスをシミュレートし、以下のような確認と実稼動後の様々な課題を検討する。
- 新規導入ソフトウェアが、すべてのユーザ要求に対応できるようにセットアップできることを確認する。
- 各種データの設定や定義を確認する。
- オペレーションにおける責任を検討する。新しい必要な手順を検討し、方針と手順のドラフトをテストする。
- ワークフローを検討し、実行可能かどうかを検証する。
- インプリメント方法と解決するべき課題を検討する。
- トレーニングニーズを検討/改善する。
- 改善のポイントを発見し、トレーニングにおいて強調すべき事項を検討する。
- 障害管理プロセスと変更管理プロセスをテストする。
- システム環境を確認し、本番環境の最終決定をする。
CRPの結果として、パラメータの設定やカスタマイズ要件が決定される。ちなみにCRPを十分に実施しておくことによって以下のような効果が得られる。
- 試行錯誤を軽減する。
- CSVを軽減する(後続のOQ、 PQにおける障害の発生と、それに伴う変更の回数を極力減少させる)。
- 早期にシステムの機能を理解でき、実際の運用手順を検討できる。
- 業務の改善点が発見できる。
- プロジェクト期間を最短化できる。
通常、CRPは正式なバリデーションドキュメントとして記録する必要はない。
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