市販のパッケージを利用する場合、FSの作成に先立って、ユーザパッケージを試用してみることは有意義である。

事前にパッケージを評価し、当該パッケージユーザ要求仕様を満たすものであるかどうか、またその仕様の変更(パラメータの設定、カスタマイズなど)を検討するためにパッケージを試用することを、CRP(Conference Room Pilot)と呼ぶ。
CRPでは、ベンダーからパッケージを借受け(または数ライセンス購入し)、会議室内で実際に利用してみることによって、現在のビジネスプロセスをシミュレートし、以下のような確認と実稼動後の様々な課題を検討する。

  1. 新規導入ソフトウェアが、すべてのユーザ要求に対応できるようにセットアップできることを確認する。
  2. 各種データの設定や定義を確認する。
  3. オペレーションにおける責任を検討する。新しい必要な手順を検討し、方針と手順のドラフトをテストする。
  4. ワークフローを検討し、実行可能かどうかを検証する。
  5. インプリメント方法と解決するべき課題を検討する。
  6. トレーニングニーズを検討/改善する。
  7. 改善のポイントを発見し、トレーニングにおいて強調すべき事項を検討する。
  8. 障害管理プロセスと変更管理プロセスをテストする。
  9. システム環境を確認し、本番環境の最終決定をする。

CRPの結果として、パラメータの設定やカスタマイズ要件が決定される。ちなみにCRPを十分に実施しておくことによって以下のような効果が得られる。

  1. 試行錯誤を軽減する。
  2. CSVを軽減する(後続のOQ PQにおける障害の発生と、それに伴う変更の回数を極力減少させる)。
  3. 早期にシステムの機能を理解でき、実際の運用手順を検討できる。
  4. 業務の改善点が発見できる。
  5. プロジェクト期間を最短化できる。

通常、CRPは正式なバリデーションドキュメントとして記録する必要はない。

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