『改正QMS省令について』
改正QMS省令は当初2018年10月に施行される予定であったが、2020年3月12日現在、案の公表すらされていない。
ISO 13485:2016の移行期間(3年間)は既に過ぎている。すなわち日本の医療機器企業はダブルスタンダード状態となっている。
2018年7月12日に開催された医療機器産業連合会 (医機連)のQMS講習会では改正QMS省令(業界案)が発表された。
業界案では、ISO 13485の要件にはない「実施要領」(要領書)という用語が頻回している。
逐条解説の業界案では、実施要領について以下の解説が記載されている。
「実施要領」とは、要求事項や手順により求められる特別な取り決めや合意書等の品質管理監督システムの運用に際して、品質管理監督システムマニュアルやその手順書以外に、運用上必要とされる事項を文書に定めたものをいうものであること。
つまり、自社製造・委託製造に限らず、手順書のみでは適切な製造が出来ないため、詳細な要領書を作成することを求めているのである。
従前の「取り決め」や「合意書」に代わり「実施要領」を策定することで当該業務の遂行をより確実にすることが目的である。
先般のこのワンポイントの投稿において「重たいQMS」の話題を書いた。
日本の規制要件では、GVP省令に顕著なように連絡文書の作成を要求されており、また当局査察(業許可更新)などにおいてもそれらをチェックすることが多い。
医療機器設計・製造で大切なことは、品質を担保し、安全性を確保することである。
実効性(有効性)のある文書の作成が求められる。
QMS省令は2021年3月26日に改正されました。詳しくはこちら。