内部監査を誤解していないか

貴社では、内部監査で間違い探しをしていないだろうか。監査は、単に間違いや問題を見つけるための活動ではなく、QMSの適合性と有効性の確認を通じて、品質マネジメントシステム全体を改善することを目的とした活動である。
ISO 13485では、内部監査に関して2つの要求をしている。 

  1. QMSの適合性の確認
  2. QMSの有効性の確認

内部監査は、決して間違いを探すことが目的ではなく、QMSの適合性と有効性を評価し、それに基づいた改善を行うことで、組織の全体的なパフォーマンスを向上させるための重要なツールである。

QMSの適合性の確認

組織は、以下の事項への適合性を評価するために内部監査を実施しなければならない。
– 計画され文書化された取り決め
– ISO 13485の要求事項
– 組織が決定した品質マネジメントシステム要求事項
– 適用される規制要求事項

内部監査は、これらの要件に対する適合性を確保するために、計画的にかつ十分な頻度で実施される必要がある。この適合性の確認により、組織は自社の品質マネジメントシステムが外部の規制や内部の基準に対して十分な準拠性を持つかどうかを判断することができる。内部監査を適切な頻度で計画し、リスクに基づいたアプローチを取ることが求められる。すべてのプロセスや部門が対象となり、特にリスクの高い領域については重点的に監査を行う必要がある。計画には、監査の目的、範囲、方法、およびスケジュールが含まれ、これらを文書化することが求められる。監査の実施においては、客観性と独立性を維持し、監査対象から影響を受けないことが重要である。

適合性の確認は、単なる書類上のチェックに留まらず、実際にプロセスがどのように実施されているか、日々の業務が計画通りに進行しているかを確かめるものである。そのため、監査員は関連する記録を調査し、プロセスの実際の運用状況を現場で観察することが求められる。

QMSの有効性の確認

QMSが効果的に実施され、維持され、期待される結果を達成するために機能しているかを評価することも内部監査の重要な目的である。この評価には、品質マネジメントシステムが目指すべき結果をどの程度達成しているかを確認し、それを維持するために必要な措置が取られているかを検証することが含まれる。監査を通じて指摘された不適合や改善点について、是正措置を実施し、その効果を検証することが求められる。このプロセスにより、問題が繰り返されないようにし、システム全体の改善が促進される。

有効性の確認では、特にISO 13485の要求に基づき、是正措置の実行とそのフォローアップが文書化され、適切に管理されることが強調されている。是正措置の効果が確認されることで、組織は次の段階の改善活動に進むことができ、品質管理プロセスの信頼性が向上する。この有効性の評価は、単なる遵守チェックを超えて、プロセスそのものが期待される成果をもたらしているかを継続的に評価するものであり、組織の品質向上にとって重要である。

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