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医療機器の回収の考え方について – お役立ち情報

医療機器の回収の考え方について

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KK
2月 24, 2026 04:20 PM 1 Answers 医療機器規制全般
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日本では、「医薬品・医療機器等の回収について」(平成26年11月21日付薬食発1121第10号、平成30年2月8日一部改正)において、医療機器の回収に関する基本的な考え方が示されています。

海外では、例えば欧州、米国、カナダ、オーストラリア等においても、上記のような医療機器の回収に関する基本的な考え方は示されているのでしょうか。

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ecompliance
3月 03, 2026
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はじめに

日本では「医薬品・医療機器等の回収について」(平成26年11月21日付薬食発1121第10号、平成30年2月8日一部改正)において、医療機器の回収に関する基本的な考え方が示されています。 欧州、米国、カナダ、オーストラリアにおいても、同様に医療機器の回収に関する基本的な考え方が法令・ガイダンス文書の形で明確に示されています。以下に各国・地域の状況を概説します。    

1. 欧州(EU)

規制根拠

  • MDR(EU規則 2017/745:医療機器規則)
  • IVDR(EU規則 2017/746:体外診断用医療機器規則)

基本的考え方

MDRおよびIVDRにおいて、製造業者・輸入業者・販売業者による安全性に関する是正措置義務が明確に規定されています。 回収に関する主要概念として、以下が定められています。
  • FSCA(Field Safety Corrective Action:フィールド安全是正措置) 市場に出荷された医療機器に関連するリスクを低減するために講じられる是正措置の総称であり、回収(recall)はFSCAの一形態として位置づけられています。
  • FSN(Field Safety Notice:フィールド安全性通知) FSCAを実施する際に、製造業者が医療機器のユーザー・患者等に対して発行する通知であり、その発行義務が規定されています。
回収の分類については、米国・カナダ・オーストラリアのような「クラスI〜III」といった固定的な名称分類は採用されておらず、リスク評価に基づくアプローチが基本とされています。回収の緊急性・範囲・手順はリスクの程度に応じて決定されます。 また、EU規制当局ネットワークであるEUDAMEDを通じた情報共有の枠組みが整備されており、Medical Device Coordination Group(MDCG)もガイダンス文書(例:MDCG 2023-3)を発行し、FSCAおよびFSNに関する手順・考え方を示しています。    

2. 米国

規制根拠

  • 21 CFR Part 806(Medical Devices; Reports of Corrections and Removals)
  • FD&C Act(Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)

基本的考え方

21 CFR Part 806において、回収(recall)・是正(correction)・除去(removal)の定義、規制当局(FDA)への報告義務、および実施手順が詳細に規定されています。 FDAはリスクに応じて回収を以下のとおり分類しています。
クラス 内容
Class I 重篤な健康被害または死亡を引き起こす可能性が高い(最重篤)
Class II 一時的または医学的に回復可能な健康被害を引き起こす可能性がある
Class III 健康被害を引き起こす可能性は低い
また、FDAは企業が策定する**回収戦略(Recall Strategy)**をレビューし、企業と協議するプロセスを確立しています。回収情報はFDAのウェブサイトにて公開され、透明性が確保されています。 なお、FDAは「医療機器の回収と市場撤退・在庫回収の区別」等に関するガイダンスも発出しており、回収に該当するか否かの考え方についても示しています。    

3. カナダ

規制根拠

  • Medical Devices Regulations(SOR/98-282)
  • Recall Policy for Health Products
  • Medical Device Recall Guidance

基本的考え方

Medical Devices Regulations(SOR/98-282)において、回収の届出義務および実施手順が規定されています。 Health Canadaが発出する「Recall Policy for Health Products」および「Medical Device Recall Guidance」では、以下の事項に関する基本的考え方が示されています。
  • リスク評価の方法
  • 回収の分類(米国と同様のType I・II・III分類を採用)
  • 関係者への通知手順
  • 回収の有効性確認
タイプ 内容
Type I 重篤な健康被害または死亡を引き起こす可能性が高い(最重篤)
Type II 一時的または医学的に回復可能な健康被害を引き起こす可能性がある
Type III 健康被害を引き起こす可能性は低い
   

4. オーストラリア

規制根拠

  • Therapeutic Goods Act 1989
  • Therapeutic Goods Regulations 1990
  • TGA Recall Protocol

基本的考え方

TGA(Therapeutic Goods Administration)は「Recalls for Therapeutic Goods」ガイダンスおよびTGA Recall Protocolを整備しており、以下の事項に関する基本的考え方が示されています。
  • 回収の種類(Consumer-level recall・Retail-level recall・Trade-level recallなど流通段階に応じた分類)
  • リスクに基づく分類(Class I・II・III)
  • 規制当局(TGA)への通知手順
  • 回収の有効性確認
クラス 内容
Class I 重篤な健康被害または死亡を引き起こす可能性が高い(最重篤)
Class II 一時的または医学的に回復可能な健康被害を引き起こす可能性がある
Class III 健康被害を引き起こす可能性は低い
また、オーストラリアでは回収の実施にあたり、TGAと州・テリトリー当局が連携する体制が整備されています。    

5. 各国・地域の比較

項目 日本 米国 EU カナダ 豪州
回収の定義・類型
リスクに基づく分類 ✓(クラスI〜III) ✓(Class I〜III) ✓(リスクベース・クラス名称なし) ✓(Type I〜III) ✓(Class I〜III)
規制当局への報告義務
回収の有効性確認
情報の公表 ✓(EUDAMED)
   

6. 国際的な整合化(IMDRF)

IMDRF(International Medical Device Regulators Forum:国際医療機器規制当局フォーラム) では、日本を含む各国規制当局が参加し、医療機器の回収に関するガイダンス文書(例:IMDRF/MDSAP WG/N47)を策定しており、回収に関する考え方の国際的な整合化が図られています。    

まとめ

欧州・米国・カナダ・オーストラリアのいずれにおいても、日本の薬食発通知と同様に、医療機器の回収に関する基本的な考え方(回収の定義・類型、リスクに基づく分類、規制当局への報告義務、関係者への通知、回収の有効性確認、情報の公表等)が法令・ガイダンス文書の形で明確に示されています。 なお、EUのみ他国と異なり固定的なクラス名称による分類体系を採用しておらず、リスク評価に基づく考え方を基本としている点が特徴的な差異として挙げられます。
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