1. HOME
  2. ブログ
  3. FDAが監査報告書を査察する方針に変更

FDAが監査報告書を査察する方針に変更

https://qmsdoc.com/product/md-qms-358/
https://qmsdoc.com/product/md-qms-358/

FDAが監査報告書を査察する方針に変更

2024年1月31日、FDAは「品質マネジメントシステム規則」(21CFR Part 820:Quality Management System Regulations / QMSR)と呼ばれる最終ルールを公表した。
QMSRは、現行のQSR(品質システム規則:Quality System Regulations)をISO 13485:2016に整合させるものだ。
発効日は2年後の2026年2月2日までとなった。

おそらく現在は、査察マニュアルであるQSIT(Quality Inspection Technique)の改定が進められているものと思われる。

現行QSR 820.180(c)およびQSITにおいては、

  • マネジメントレビュ議事録
  • 品質監査報告書
  • 供給者監査報告書

等は例外として、査察時に提示しなくても良いことになっている。
しかしながら、QMSRにおいては、上記は例外ではなくなったのである。

820.180 一般的要求事項
(a) 機密保持
(b) 記録の保管期間
(c) 例外

このセクションが適用されないのは次の報告書である。
§820.20 (c)「マネジメントレビュ」
§820.22「品質監査」で要求される報告書
§820.50(a)「供給者、契約者およびコンサルタントの評価」の要求事項満たすため使用される供給者監査報告書である。

しかしこれらの条文の下で確立されている手順には適用される。

FDAの所定の職員の要請があれば、執行責任を有する経営者は、このパートで要求されるマネジメントレビュおよび品質監査、適切な場合、供給者監査が実施され文書化されたこと、それらが実施された日付、並びに所要の是正処置が講じられたことを文書により認証すること。

QMSRにおいては、上記の(c)例外が削除された。
下記のとおり、パブリックコメントへの回答で理由の記載がある。

要約すると、

  • 国際整合を図るため
  • MDSAP参加企業と平等にするため
  • これまでもマネジメントレビュや監査の指摘事項は、実質CAPAを通して見ることが可能であった

(コメント55)FDAは、以前はQS規則820.180(c)に存在したマネジメントレビュ、品質監査、サプライヤー監査報告書の例外がないことに関して、多数のコメントを受け取った。そのようなコメントのほとんどは、FDAが§820.180(c)に規定された例外を維持することを要求するものであり、いくつかはFDAがそのような具体的な文言を採用することを提案し、残りはFDAがそのような記録が査察官のアクセスから除外されるかどうかを明確にすることを要求したものであった。特にあるコメントでは、現行の品質システム査察テクニック(QSIT)ガイドにも、マネジメントレビュ、内部監査、およびサプライヤー監査の記録は検査対象外であると記載されていると指摘している。いくつかのコメントでは、製造業者の監査報告書やマネジメントレビュ報告書が引き続き完全かつ/または有用であることを保証するために、この例外規定が必要であるとの懸念を表明している。

(回答) FDA は、§820.180(c)に規定された例外を維持することに同意しない。この規則作りの努力の主な目的の一つは、グローバルな調和と調整に可能な限り近づくことである。グローバルな観点からは、コメントで言及されている例外は、他の規制当局の査察を受けている製造業者や、他の事業体(例えばMDSAP監査組織)の監査を受けている製造業者には利用できないため、そのような製造業者は、これらの記録を利用できるようにすることによって、追加的な負担を強いられることはない。同様に、FDAは、このような記録は通常の業務の過程で維持されており、容易に入手できるはずであるため、これらの記録を入手できるようにすることは、例外を利用した可能性のある製造業者にとって大きな負担とはならないと考えている。さらに、FDAの調査官は、不適合や苦情、内部監査やサプライヤー監査の結果としての是正措置など、マネジメントレビュに情報を提供するために使用されるデータにすでにアクセスすることができる。FDAは、強固なマネジメントレビュ、内部監査およびサプライヤー監査プログラムは、本規則制定で前述した品質文化の基本であり、FDAが企業に期待するものであることを強調する。さらに、FDAは本規則制定と整合性のある査察プロセスを修正する意向であり、本規則制定は査察プロセスを含む将来の実施活動を説明する適切な手段とは考えていない。

関連商品

関連記事