1 Answers
Best Answer
0
リファクタリングが「表示、機能、動作を変更しない」という前提であっても、実装方法によっては規制上の対応が必要になる可能性があります。
変更届が不要な場合
- 表示、機能、動作が完全に同一
- 性能、安全性に影響がない
- 認証書に記載された仕様の範囲内
- 内部的なコード整理のみ
- 同一OS内のバージョン変更(例:Windows 7→Windows 10)
変更届が必要な場合
- 異なる種類のOSへの変更(例:iOS→Android)は軽微変更届
- その他、認証内容に影響を与える変更
※プログラミング言語やアーキテクチャの変更については、具体的な通知での言及はないため、個別にPMDA相談での確認が必要です。
気を付けるべき法令・規制
1. 医薬品医療機器等法(薬機法)関連
- QMS省令(医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準)
- 設計開発管理の手順に従った変更管理
- リスクマネジメント(JIS T 14971)の実施
2. ソフトウェアライフサイクル管理
- JIS T 2304:2017(医療機器ソフトウェア−ソフトウェアライフサイクルプロセス)の遵守
- 変更前後での同等性の検証
- 回帰テストの実施
- バリデーション記録の作成
3. サイバーセキュリティ対応
- 「医療機器のサイバーセキュリティの確保に関するガイダンス」(厚生労働省)
- 2023年4月から基本要件基準にサイバーセキュリティ項目が追加
- リファクタリング時の脆弱性評価
重要な留意点
平成29年10月20日付け通知(薬生機審発1020第1号)
この通知により、ソフトウェア変更時の取り扱いが明確化されています。
- OSの同一種類内でのバージョン変更は届出不要
- データベース等のバージョン変更も届出不要の場合がある
推奨される対応
- PMDA相談の活用
- 簡易相談または対面助言で事前確認
- 特にプログラミング言語変更等の判断が必要な場合
- 必要な文書整備
- 設計変更管理記録
- 検証・バリデーション報告書
- リスクマネジメント報告書
- 品質保証活動
- 変更前後の同等性試験
- 性能評価と安全性確認