ISOとQMS省令とQSRの差分について

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ecompliance
2月 17, 2025 01:42 PM 1 Answers 医療機器規制全般
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ISO13485とQMS省令とQSRの差分はそれぞれ何でしょうか。

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Edit 2月 18, 2025
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医療機器の品質管理において、ISO13485、QMS省令、QSR(Quality System Regulation)は重要な規制の枠組みを提供しています。これらの規制の違いを理解することは、医療機器メーカーや関係者にとって非常に重要です。本文書では、これらの規制の主要な違いについて、確実な情報に基づいて解説します。

ISO13485と日本のQMS省令の違い

ISO13485は世界中で使用される国際規格です。一方、QMS省令は日本国内の医療機器製造販売業者に特化した規制です。これらの規制の間では、使用される用語とその定義に重要な違いがあります。

QMS省令では、ISO13485で使用されている用語を日本の法律用語に置き換えています。例えば、ISO13485の「組織(organization)」は、QMS省令では「製造販売業者等」という表現になります。このような用語の違いは、日本の法規制体系との整合性を確保するためのものです。また、一部の用語については、その定義自体にも違いが存在します。そのため、規制要求事項を正確に理解し実践するためには、各規制における用語の定義を正確に把握することが重要です。近年、QMS省令はISO13485:2016との整合性を高めるための改正が行われましたが、日本特有の要求事項も依然として存在します。

具体的には、QMS省令には日本の医療機器規制に特有の要素が含まれています。例えば、承認申請や認証申請に関連する要求事項などがこれにあたります。これは日本の医療機器規制の特徴を反映したものといえます。

ISO13485とFDAのQSRの違い

ISO13485とQSRの間には、いくつかの重要な違いが存在します。まず、これらの規制では使用される用語とその定義が異なる場合があります。これは、米国の規制体系や法的要件の違いを反映したものです。そのため、規制要求事項を正確に理解するためには、各規制文書における用語の定義を慎重に確認する必要があります。

特に重要な違いとして、リスクに対するアプローチが挙げられます。QSRではリスク分析のみを対象としているのに対し、ISO13485ではリスクマネジメントを製品のライフサイクル全体を通じて実施することを要求しています。つまり、ISO13485では設計開発から製造、市販後の監視に至るまで、継続的なリスクマネジメントの実施が求められます。まず、ISO13485では「リスクベースアプローチ」が特に強調されており、製品のライフサイクル全体を通じたリスクマネジメントが要求されています。これは、品質管理における意思決定や行動の基準として、継続的なリスクの評価と管理を重視する考え方です。

一方、QSRでは是正措置及び予防措置(CAPA: Corrective And Preventive Action)に関する要求事項がより具体的に定められています。また、QSRでは特定の文書、具体的にはDevice Master Record(DMR)やDevice History Record(DHR)の作成と維持管理が明確に要求されています。

今後の動向

FDAは現在、QSRをISO13485:2016と整合させるための改正案(QMSR: Quality Management System Regulation)を提案しています。この動きは、将来的に各規制間の要求事項の違いが変更される可能性を示唆しています。

結論

これら3つの規制は、いずれも医療機器の品質管理システムを規定するものですが、その適用範囲や具体的な要求事項には違いがあります。また、これらの規制は継続的に更新されるため、最新の要求事項については必ず各規制当局が提供する公式情報を参照することが重要です。

製造業者や関係者は、これらの違いを十分に理解した上で、適切な品質マネジメントシステムを構築・維持することが求められます。特に複数の市場で事業を展開する場合は、それぞれの規制要求事項を満たすための統合的なアプローチが必要となります。

詳細な差分については、書籍【徹底解説】FDA 21 CFR 820 QSRからQMSRへをご一読ください。
https://eCompliance.co.jp/SHOP/BOOK-QMSR.html

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