21 CFR Part801の要件について

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ecompliance
8月 11, 2025 04:04 AM 1 Answers QMSR
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日本と米国の両方で販売する医療機器について、日本で要求される法定表示事項と米国で要求される法定表示事項を同一の包装箱に表示する場合、米国で要求される法定表示事項についても日本語で表示しなければ、21 CFR 801.15(c)の(2)および(3)の要件を満さないと判断されるのでしょうか?(当該箱に記載されている日本語表示は、あくまでも日本国内で販売するための表示です。)

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ecompliance
8月 11, 2025
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はい、21 CFR 801.15(c)(2)および(3)の要件を満たさないと判断されます。

日本と米国の両方で販売する医療機器について、同一の包装箱に日本の法定表示事項を日本語で記載している場合、米国で要求される法定表示事項も日本語で表示しなければ、21 CFR 801.15(c)の要件違反となります。

21 CFR 801.15(c)の具体的要件

(c)(1) 基本原則

  • 医療機器のラベルおよびラベリングに記載が義務付けられているすべての情報は、原則として英語で表示する必要がある

(c)(2) ラベル(label)の外国語要件

"If the label contains any representation in a foreign language, all words, statements, and other information required by or under authority of the act to appear on the label shall appear thereon in the foreign language."

  • ラベルに外国語での表現が含まれている場合、法により要求されるすべての情報は、当該外国語でも表示されなければならない

(c)(3) ラベリング(labeling)の外国語要件

"If the labeling contains any representation in a foreign language, all words, statements, and other information required by or under authority of the act to appear on the label or labeling shall appear on the labeling in the foreign language."

  • ラベリングに外国語での表現が含まれている場合、法により要求されるすべての情報は、当該外国語でも表示されなければならない

重要な解釈ポイント

  1. 「日本市場向け」という意図は考慮されない
    • 包装箱に物理的に日本語が存在する時点で「外国語表記あり」と判断される
    • 表示の目的や対象市場に関する例外規定は存在しない
  2. FDAの厳格な立場
    • 外国語表示について一切の例外を認めない
    • コンプライアンス違反は製品の輸入差し止めや回収につながる可能性がある
  3. 英語表示の優位性(Prominence)要件
    • 英語表示は他の言語表示よりも同等以上に目立つように配置する必要がある
    • フォントサイズ、配置位置、視認性において英語が劣後してはならない

実務的な対応策

推奨される対応(リスク回避順)

1. 最も安全な選択:市場別包装の採用

メリット

  • 規制違反リスクを完全に排除
  • 各市場の要求に最適化した表示設計が可能
  • 将来的な規制変更への柔軟な対応が可能

実施方法

  • 日本向け:日本の薬機法要件のみを日本語で表示
  • 米国向け:FDA要件のみを英語で表示

2. 共通包装を使用する場合の対応

必須要件

  • すべての米国法定表示事項を英語で表示(最優先)
  • 日本語表示が存在する場合、米国要求事項も日本語で併記
  • 英語表示を日本語表示より目立つように配置

推奨される追加対策

  • ISO 15223-1等の国際認知シンボルの活用
  • 表示エリアの明確な区分け(米国向け/日本向け)
  • 重要情報の英語での強調表示

3. ハイブリッドアプローチ

  • 外箱:市場別に準備
  • 内箱/製品本体:共通化(シンボル中心の表示)
  • 添付文書:市場別に分離

コンプライアンスリスクの評価

違反時の潜在的影響

  1. 輸入時の問題
    • 税関での輸入差し止め
    • FDAによる輸入警告(Import Alert)の発行
  2. 市場での問題
    • Warning Letterの発行
    • 製品回収(リコール)の要求
    • 民事制裁金の賦課
  3. ビジネスへの影響
    • ブランドイメージの毀損
    • 追加コストの発生
    • 市場アクセスの制限

結論と推奨事項

明確な結論

同一包装箱に日本語表示が存在する場合、たとえそれが「日本市場向け」の表示であっても、21 CFR 801.15(c)(2)および(3)により、米国で要求される法定表示事項も日本語での表示が必要となります。

強く推奨される対応

  1. 短期的対応:現在の共通包装を使用する場合は、完全な二言語表示を実施
  2. 中長期的対応:市場別包装への移行を検討
  3. 継続的対応:FDA規制の更新情報を定期的に確認

専門家への相談

以下の場合は、専門家への相談を推奨します:

  • 具体的な製品カテゴリーでの詳細要件の確認
  • FDAへの事前相談(Q-Submission等)の検討
  • 包装デザインのコンプライアンスレビュー

参考情報

関連規制・ガイダンス

  • 21 CFR Part 801 - Labeling
  • FDA Guidance: "Use of Symbols in Labeling" (2016)
  • CPG Sec. 110.900 - Imported Products – Lack of English Labeling
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