日本における一般医療機器(クラスⅠ)について

質問
0
ecompliance
6月 27, 2025 10:23 AM 1 Answers 医療機器規制全般
Member Since Jan 2021
Subscribed Subscribe Not subscribe
Flag(0)

日本において、一般的名称やその定義、使用目的または効果に「家庭」という語が含まれていない一般医療機器(クラスⅠ)であっても、一般人への販売は法規的に問題ないのでしょうか。

0 Subscribers
Submit Answer
1 Answers
Sort By:
Best Answer
0
ecompliance
6月 27, 2025
Flag(0)

一般医療機器(クラスⅠ)は、「家庭用」という表示がなくても一般消費者への販売は法的に問題ありません。

一般医療機器(クラスⅠ)の一般消費者への販売は、特定保守管理医療機器を除き、許可・届出不要で法的に可能です。
ただし、品質管理義務、広告規制、使用目的の遵守など、薬機法の一般規定は免除されないため、これらを適切に管理する必要があります。

1. 許可・届出の要否

原則:許可・届出は不要

  • 特定保守管理医療機器に該当しない一般医療機器を業として販売する場合、行政手続は原則発生しません
  • 高度管理医療機器・管理医療機器とは異なり、一般医療機器のみの販売では販売業の許可も届出も不要です

例外:特定保守管理医療機器

  • X線撮影用フィルムなど、特定保守管理医療機器に指定されたクラスⅠ品目は許可が必要

2. 一般消費者への販売可否

販売は可能

  • クラスⅠはリスクが極めて低いカテゴリーであり、薬機法に一般向け販売を禁止する規定はありません
  • 各自治体の運用指針でも「一般医療機器は届出不要で販売可」と明示されています
  • 「家庭用」表示の有無にかかわらず、法令上は小売・通信販売ともに可能です

3. 事業者に課される主な義務

許可・届出が不要でも、薬機法の一般規定は適用されます。

品質確保・苦情処理・回収協力

  • 帳簿記載・保管
  • 品質確保
  • 苦情対応
  • 製造販売業者への協力

譲受・譲渡記録

  • 販売数量が大きい場合や中古機器取扱い時に記録義務が発生

中古機器通知

  • 中古品を扱う場合、製造販売業者への事前通知が必要

4. 広告・表示に関する制限

クラスにかかわらず、医療機器広告は医薬品等適正広告基準と医療機器適正広告ガイドに従う必要があります。

  • 承認・届出された名称・効能効果を逸脱する表示は禁止
  • 誇大表現、未承認用途の暗示、医師推奨広告などの禁止事項は全機器共通
  • 効果・性能表現は基準に沿う形で厳格に管理すべき

5. 使用目的の遵守

使用目的逸脱の禁止

  • 製造販売業者が定めた使用目的・効能効果を超えて販売・推奨した場合は虚偽誇大広告(薬機法第66条)、無承認用途販売(同法第68条)となり得ます

情報提供責任

  • 小売事業者は取扱説明書や適正使用情報を添付し、消費者が安全に使用できるよう十分な説明を行う責任を負います

6. その他の注意事項

輸入販売

  • 海外製品を輸入して国内流通させる場合は「製造販売業許可」とPMDAへの届出が別途必要

個別の公衆衛生リスク

  • 健康被害例がある場合、自治体が個人間取引を控えるよう要請するケースがある

実務上の対応

  1. 商品確認
    • 「一般医療機器」であることの確認
    • 「特定保守管理医療機器」でないことの確認
    • 製造販売業者・PMDA情報での詳細確認
  2. 組織体制整備
    • 品質管理体制の構築
    • 苦情対応手順の整備
    • 帳簿管理システムの導入
  3. 広告・表示管理
    • 承認・届出内容の確認
    • 広告表現の事前チェック体制
  4. 疑義照会
    • 不明点は保健所・薬務課へ相談
Sign in to Reply
Replying as Submit

関連記事一覧