欧州MDR認証が取り消された場合の出荷可否について、流通経路に沿って説明いたします。
1. MDR認証取り消し後の出荷可否
製造業者(日本) → 輸入業者
- 不可能
- MDR認証が無効となった製品はEU市場への出荷・輸入が禁止されます
輸入業者 → 販売業者
- 条件付きで可能
- 認証取り消し前に既にEU域内に輸入された製品のみ
- 製品の安全性に問題がない場合に限る
販売業者 → 医療機関
- 条件付きで可能
- 認証取り消し前に入手した在庫に限り流通可能(Sell off条項)
- 製品の安全性が確認されている場合に限る
2. 適用される主な法規制
- 欧州医療機器規則(MDR:Regulation (EU) 2017/745)
- 特に第56条(適合性評価手順)
- 第94条(市場監視)
- 第95条(不適合製品への対処)
- 各加盟国の国内法
- 各国の医療機器規制当局による追加要件
- 市場監視および安全性確認の手順
3. 重要な留意点
- 認証取り消し後の在庫品については、安全性に関する十分な証拠がある場合のみ流通可能
- 各流通業者は製品のトレーサビリティを確保する必要がある
- 認証取り消しの理由によっては、既存の在庫品の回収が必要となる場合もある
- 新規の出荷・輸入は一切禁止
これらの規制は患者の安全を確保するために設けられており、違反した場合は厳しい罰則が適用される可能性があります。
認証取り消し後の対応については、各国の規制当局等に確認することをお勧めします。